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積極的な投資を継続し、市場変化に即応する新事業、新製品を展開東京コスモス電機 代表取締役社長 寺田実氏

東京コスモス電機は近年、可変抵抗器事業/電装品事業で次世代ニーズを見据えた新製品開発を強化してきた他、新しい事業として無線モジュール市場に参入した。社長の寺田実氏は、「2014年は、新事業と新製品開発への積極的で力強い投資を継続し、競争に打ち勝つ」とする。

» 2014年01月14日 10時00分 公開
[PR/EE Times]
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前年比7%の増収を見込む好調な2014年3月期

――今期、2014年3月期の業績は、ここまで、好調のようですね。

寺田実氏 当社の主力事業の1つである可変抵抗器事業は、特に上期は円安効果も手伝って、アジア、欧州、米国といった海外向け全般で前期よりも好調に推移した。自動車向けの電装品事業は当初は国内メーカー向けが落ち込むと予測していたが代わりに米国メーカー向けの出荷が好調に推移したので全体では減収幅が抑えられた事で今期の連結売上高は前期比7%増の76億円を達成できる見込みだ。

――利益面では今期、営業利益、経常利益とも前期比8.3%増と売上高を上回る成長を見込んでおられます。

寺田氏 製造現場と販売現場が一体となり、効率的に無駄なく会社を動かす製販一体経営を推進してきた効果が表れた。例えば、2013年4月に本格導入した新生産システムによる効率化がある。生産計画に基づき無駄なく部品材料を確保するシステムが確立できたことで以前より部品在庫を減らすことが可能になった他、より需給変動にもフレキシブルに対応できる生産計画を立てやすくなり、大幅に生産性を高めることができた。

「BtoB」以外にも広がるビジネス領域

――新規事業のワイヤレスモジュール事業では、2013年に多くの新製品を投入されました。

寺田氏 M2M(機器間通信)、IoT(モノのインターネット化)、HEMSに代表されるリモートコントロールや各種センサーの情報を無線通信するモジュールに主眼を置いて、近年、強力に投資を行ってきた。2013年は、超低消費電力ながら安定した通信を実現する小型軽量のモジュールを投入することができた。1円硬貨よりも小さなこの新製品は、ボタン電池1つで数年間動作し、通信距離も1km(見通し環境時)にも達する。

 これまで当社の従来の電子部品は、いわゆる「BtoB」のカテゴリーに属する企業/法人向けの色合いが濃い製品が多かったが、新しく始めたワイヤレス無線モジュール製品は、大学や企業の開発研究に携わるエンジニアや、電子工作などの個人愛好家からも多数の引き合いを得ており、これまでの当社の製品群とは一線を画しているという点が特徴だ。

――販売・サポートなどの面でも新たな体制作りも必要ですね。

寺田氏 当然、主にBtoBに対応してきた当社のこれまでの販売ネットワークだけでは、対応しきれず、新たに「BtoC」に対応したサービスを提供できるネットワークの追加を急いでいる。

 そこで、2013年7月から私自身がワイヤレス事業部のトップを兼務し、販売チャンネルの再定義を強力に推進している。従来の販売代理店からもご理解、ご協力を得ながら、新たな販売チャンネルができつつあり、販売規模も順調に拡大しつつある。2014年も、ワイヤレス事業への強力な投資を継続し、早期に主力事業の1つに育てたい。

――2014年の市況はどのように見られていますか。

寺田氏 2014年は、4月に消費税増税が控えており、4−9月は、その反動から高額な家電製品や自動車の国内販売が低迷する恐れがある。これに備える意味でも、新製品の販売を伸ばしていく必要がある。

期待の新製品「自動車用の非接触型センサー」「新型ミラーヒータ」

――売り上げ貢献を期待されている新製品をお教えください。

寺田氏 先に挙げたワイヤレスモジュールをはじめ、自動車用の非接触型センサーや新型ミラーヒータの拡販を強化したい。

 これまで当社は、接触型の電装センサーを得意としてきたが、2015年以降は非接触型への急速な移行が見込まれている。その変化に対応し、非接触型の新製品開発投資を進めてきた。自動車用ミラーヒータも、長年にわたり、当社が得意としてきた製品分野だが、これまでは比較的ハイエンドな車種向けを得意としてきた。しかし、昨今では、国内市場での軽自動車やエコカーの割合が高まるなど自動車市場の需要構造が変化している。そこで、自己温度制御型でありながらローコストなミラーヒータ製品の充実化を図ってきた。2014年は、これらの市場変化に対応した電装分野の新製品拡販に注力していく。

――電装品事業では、2010年に中国山東省に生産子会社「煙台コスモス電機」を立ち上げられました。

寺田氏 国内の自動車生産台数が頭打ちになり、海外生産が増加することを見込んで、独資による新工場を稼働させた。中国政府の景気引締政策の影響で一時苦戦した時期もあったが、2013年下期から中国の現地自動車メーカーの生産、販売が復調しており、煙台コスモス電機の稼働率も上昇してきている。2014年は、さらに稼働率を上げ、業績貢献する見通しだ。

主力の可変抵抗器事業、「生産を増やす絶好のチャンス」

――主力の可変抵抗器事業の2014年見通しをお聞かせください。

寺田氏 民生用可変抵抗器に関しては、香港子会社を介して中国広東省で委託生産を行っているが、人民元の上昇や人件費の高騰といった要因から利益率が低下傾向にある。部材の一部をまだ国外から調達しておりコスト面で不利なため、これを早く100%中国内で調達できるように作業を進めている。同時に煙台コスモス電機の業績向上により、中国事業全体としてグループ収益に貢献させたい。一方で、国内生産を行う通信機器/産業機器向けの可変抵抗器については、競合他社が生産を縮小する傾向が強まっている。当社にとっては、生産を増やす絶好のチャンスであり、増産を検討していく。

――あらためて、2014年の抱負をお聞かせください。

寺田氏 現在はまだ一部の大手企業だけにとどまっているアベノミクス効果の恩恵が、当社も含めた日本企業全体に行きわたる年になると大いに期待している。

 2014年に市場投入する新製品の開発は終了し、目下拡販作業中なので販売、利益とも2013年実績を上回ることは当然として、2014年は現状を打破し、さらに一段上のレベルの企業として市場から認められるよう、時代の変化に対応する新事業と新製品開発への積極的で力強い投資を継続し競争に打ち勝つつもりだ。



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提供:東京コスモス電機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年2月13日

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