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ロチェスター、ルネサスの保守供給終了品の取り扱いを開始ビジネスニュース 企業動向

ロチェスター エレクトロニクスは2014年2月から、ルネサス エレクトロニクスが生産終了に伴って保守供給を終了した製品を取り扱うと発表した。まず、アナログ/パワー半導体製品約1000種から扱いを始める。

» 2014年02月05日 09時30分 公開
[竹本達哉,EE Times Japan]

 製造中止半導体製品を扱うロチェスター エレクトロニクス(以下、ロチェスター)は2014年2月5日、ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)と、保守供給終了半導体製品の販売に関して包括契約を締結したと発表した。ルネサスが生産終了に伴って保守供給を終了した製品を、ロチェスターが販売、サポートすることになる。

まず約1000品種7000万個から

 契約の対象となる半導体製品は、マイコン、アナログ/パワー半導体、システムオンチップ(SoC)などの製品分野で、ルネサスが保守供給を終了した製品。まず2014年2月中に第1弾として、アナログ/パワー半導体を中心に約1000品種7000万個の保守供給終了製品の在庫がルネサス側からロチェスター側に移管され、ロチェスターが全世界向けに販売、サポートを開始する。ロチェスター日本オフィス代表の中山勝氏によると、「2014年3月にマイコンを中心とした製品が移管され、その後SoCについても移管が行われる見込み」とする。さらに、「今後、新たに保守供給が終了した製品が発生した場合も、一部を除いて、ロチェスターへ在庫が移管される予定」としている。

 ロチェスターは米国に本社を置く企業で、主に半導体メーカーが製造/供給を中止した、いわゆるEOL(End of Life)品を扱う半導体ベンダーだ。EOL品の扱いは3種類あり、パッケージングされた完成品のサポート用在庫をメーカーから引き取り販売する形の他、メーカーから加工済みウエハーを引き取り自社でパッケージングして提供する形、メーカーから設計情報を引き受けウエハー加工から再生産する形がある。いずれのビジネスモデルでも、半導体メーカー側と契約などを結び承認された状況で生産/販売を行う。世界60社を超える半導体メーカーの承認を受け、現在30万種のEOL品を扱っている。

ロチェスター エレクトロニクスを承認している主な半導体メーカー(左)とロチェスターの注力分野 (クリックで拡大) 出典:ロチェスター エレクトロニクス

 産業機器や医療機器などは、製品寿命が20〜30年以上ということも少なくなく、産業機器や医療機器メーカーなどは、保守修理などを目的に半導体製品にも機器の寿命に応じた長期供給を求める。しかし、半導体メーカー側は数量のあまり見込めない製品の生産を続けたり、在庫を持ち続けたりすることは収益を圧迫する要素となる。

 ロチェスターはこうした顧客側と半導体メーカー側のギャップを埋めるビジネスモデルで、欧米の主要半導体メーカーの支持を集め成長してきた。ただ、日本市場では、これまで顧客要望を最優先し自社での長期供給を行う半導体メーカーが多く、ロチェスターのビジネスモデルはあまり浸透していなかった。

日本でのビジネス拡大見込む

 中山氏は、「今回、国内大手のルネサスとの包括契約の締結により、日本でのビジネスが大きく拡大するものとして期待している。ルネサス以外の国内半導体メーカーとの連携も進めていきたい」とした。

 ルネサスの執行役員常務兼CSMO(最高販売・マーケティング責任者)の高橋恒雄氏は、「顧客の中には長期にわたる製品供給を望まれる場合がある。ルネサスはその要望に沿えるよう尽力しているが、今回の締結により保守供給を終了する製品についても継続供給可能な体制を構築できるようになる」とコメントしている。

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