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もしも、あなたの大事な人が海外赴任になったなら「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(23)(1/4 ページ)

海外赴任というのは、多かれ少なかれ周りの人間を巻き込みます。そして、赴任するのが「英語に愛されないエンジニア」である場合、周りは、巻き込まれるばかりか、赴任する本人を“守る”という使命まで負う可能性もあります。今回は、海外に赴任する「英語に愛されないエンジニア」が、(1)自分自身である、(2)恋人である、(3)夫あるいは妻である、(4)親である、という4つの視点に立って、“守る方法”を検証します。

» 2014年02月20日 11時30分 公開
[EE Times Japan]

 われわれエンジニアは、エンジニアである以上、どのような形であれ、いずれ国外に追い出される……。いかに立ち向かうか?→「『英語に愛されないエンジニア』」のための新行動論連載一覧

海外赴任は、チャンス?

 長期の海外出張や赴任は、未婚者にとっては千載一遇のチャンスです。

「好きです。結婚して、外国に一緒に来てください」

という告白が可能な状況になるからです。

 しかし、「告白される側」にだって事情があるので、そんな簡単にYesともNoとも言えません ―― というか、「バカじゃん?」という答えが返ってくる可能性の方が大きいです。

 しかし、それでも「告白する側」にはメリットがあります。

 もちろん、“Yes”と言ってもらえれば目的達成。“No”であっても、職場で気まずい思いをすることもなく、海外に逃亡できるのです。「振り逃げ」ならぬ、「振られ逃げ」です。しかも、振られた理由を「海外」にする言い訳もできます。

 卒業式の後の告白のようなものですが、どさくさに紛れてプロポーズまで持ち込める分だけ、メリットは大きいです。海外赴任という不幸も、使い方によっては、私益をはかることができるのです。

 一方、「告白される側」にとっては、このような申し出はひどく迷惑なものでしょう。自分で培ってきた生活のインフラ(自分の仕事、住居、人間関係)を、一時的であれ放棄することになります。他人の都合で、言葉も通じない国に行かされる不条理に、おいそれと乗れるものではありません。

 それに、言葉の問題だけではありません。海外の住居などの生活インフラや、安全、安心、教育、その他の面倒くささを考えれば、海外赴任に巻き込まれる人間としては、「何言ってんの?」という気持ちになるのは当然のことだと思うのです。

 さらに、もっと根本的で、本質的な疑問が残っています。


 そもそも、あなた、「英語に愛されないエンジニア」じゃなかったっけ?


「英語に愛されないエンジニア」の守り方

 こんにちは。江端智一です。

 今回は、ちょっと趣向を変えまして、「英語に愛されないエンジニア」に巻き込まれる方々に着目してみたいと思います。

 といっても、「英語に愛されないエンジニア」の関係者というだけで、いきなり迷惑を被るわけではありません。

 問題なのは、この「英語に愛されないエンジニア」とともに、外国に飛ばされる羽目になるときです。つまり、「海外赴任」の場面で、この迷惑はいきなり現実味を帯びてくるわけです。

 あなたが、「英語に“愛されている”エンジニア」とともに海外赴任するのであれば、それほど心配しなくても良いかもしれません。あるいは、あなた自身が英語に愛されている人物であれば、当然、何の問題もないでしょう。

 問題は、「英語に愛されていないチーム」で海外に赴任する場合です。それはもう、登山を開始する前から遭難が確定している山岳登山チームのようなものです。

 「英語に愛されないエンジニア」に巻き込まれるおそれのある人は、「単独で山頂アタックしてきてね。ベースキャンプから見ているよ!」と、明るい声で彼らを見捨てるのも1つの方法です。

 しかし、彼らがアタックに失敗し、死んだ魚のような目をして帰国した揚げ句、廃人同様となり、労働力として使いものにならなくなったら、あなたも困ることになるかもしれません。

 「英語に愛されないエンジニア」を海外に放置しておくと、面倒なことになる可能性は高いのです。

 そこで今回は、「英語に愛されないエンジニアの守り方」について考えてみたいと思います。

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