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「MWC 2014」で注目すべき5つの動向MWC 2014(2/2 ページ)

» 2014年02月21日 17時45分 公開
[Junko Yoshida,EE Times]
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【3】どうなる? フィーチャーフォン

 3つ目は、フィーチャーフォン市場をめぐる争いが起こる可能性があるという点だ。

 米国の市場調査会社Gartnerが2014年2月13日に発表したリポートによると、2013年におけるスマートフォン世界販売台数は、9億6800万台に達したという。これは、携帯電話機の世界販売台数全体の53.6%に相当する。

 Gartnerの同リポートの見出しは、「Annual Smartphone Sales Surpassed Sales of Feature Phones for the First Time in 2013(2013年のスマートフォン世界販売台数、初めてフィーチャーフォンを上回る)」とされていたが、携帯電話機業界としては、スマートフォンの方が上回ったことに対してはそれほど驚かないだろう。むしろ、フィーチャーフォンの販売台数が依然として8億3800万台にも上っていることに対し、「どうすればこの大きな市場シェアを奪うことができるのだろうか」と考えるのではないだろうか。

 現在、先進国のスマートフォン市場は飽和状態に近づきつつある。このため業界では、「フィーチャーフォンを使い続けているユーザーが、世界全体で大きな割合を占めている」という事実が注目されている。

【4】LTEブロードキャストの普及へ

 4つ目に挙げられるのは、携帯電話ネットワークにブロードキャストを取り込もうとする動きである。ただ、欧州の地上デジタル放送規格「DVB-T」や、Qualcommが開発した携帯端末向けマルチメディア放送規格「MediaFLO」などはここに含まれていない。これらの規格はいずれも、以前に予測された通り、広く普及することはなかった。

 現在、業界の期待を集めているのは、LTEブロードキャストである。Verizon Wirelessは、米国の2014年の「スーパーボウル」において、LTEブロードキャストネットワークを試験的に採用している。

 韓国の通信事業者であるKTとSamsungは2014年1月、KTのeMBMS(evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)技術を用いて、商用LTEブロードキャストのサービスを開始した。KTのLTE加入者を対象したもので、利用するにはSamsungのスマートフォン「GALAXY Note 3」が必要になる。

 MWC 2014では、この分野についてさらなる議論が進むと期待されている。

【5】存在感を増すLenovo、Huawei、ZTE

 5つ目は、MWC 2014において、LenovoとHuawei、ZTEの存在感がこれまで以上に大きくなるとみられる点だ。3社はいずれも、中国最大手の最先端技術メーカーだが、米国の携帯電話機市場においては存在感がほとんどない。だがMWC 2014では、それが大きく変わる可能性がある。

 Lenovoは2014年1月に、GoogleからMotorola Mobilityのモバイル事業を買収したばかりだ(関連記事:グーグルの“3つの戦略”から読む、スマホ市場の動向)。今回のMWC 2014は、買収後、初のモバイル機器の大型展示会となる。会場で、Motorola Mobilityの買収による成果を示す製品を発表することはさすがに難しいが、新しい事業計画や戦略などが明かされることになるだろう。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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