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「4Kモニターよりも実用的」、LGが21:9液晶モニターの新製品群を発表ディスプレイ技術

LGエレクトロニクス・ジャパンは、21:9ウルトラワイド液晶モニターの新製品を発表した。エントリーモデルからハイエンドモデルまでいずれの機種も、フリッカ(画面のちらつき)とブルーライトを低減する技術が搭載されている。

» 2014年03月12日 20時00分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 LGエレクトロニクスの日本法人であるLGエレクトロニクス・ジャパンは2014年3月12日、アスペクト比が21:9のウルトラワイド液晶モニターの新製品を発表した。解像度が3440×1440ドットの34インチモデルから、2560×1080ドットの25インチモデルまでの3シリーズ5モデルを中心とする。全ラインアップとしては、これらを含む7シリーズ16モデルとなっている。

 新シリーズの最大の特長は、フリッカ(画面のちらつき)を抑える技術と、ブルーライトを低減するモードを、34インチのハイエンドモデルから25インチのエントリーモデルまで、全ての機種に搭載したことだ。LGエレクトロニクス・ジャパンでコンシューマエレクトロニクス セールスチームの次長を務める道山涼司氏は、「フリッカを抑える技術も、ブルーライトを低減する技術も、目新しいものではない。だが、一般的にこれらの技術はどちらか片方がハイエンド機種にのみ、搭載されていることが多い」と述べる。

新製品の3シリーズ5モデル(クリックで拡大)

DC調光の採用でフリッカを抑える

 一般的に、LEDバックライトの調光にはPWM(パルス幅変調)調光が採用されている。回路設計がシンプルで、明るさを調整できる範囲が広いからだ。だが、LEDを高速に点滅させて調光するので、フリッカが起き、目の疲れなどの原因になる場合もある。

今回の新製品では、PWM調光ではなくDC(直流)調光を採用した。LEDを点灯したまま、電流量だけを変えて調光するので、フリッカを抑えられる。ただし、DC調光は回路設計が複雑で、コストが割高になるというデメリットがある。LGエレクトロニクス・ジャパンは、「きれいな直流を生成する電源回路の部分で当社の技術力を発揮し、できるだけコストを抑えることに注力した」と語る。

PWM調光の液晶モニターとDC調光の液晶モニターを2台並べ、それらの画面の動画を高速で撮影したもの。PWM調光のモニターが右側である。ちらついているのが、はっきりと分かる

「ブルーライト低減モード」の搭載

 新しい液晶モニターは、「ブルーライト低減モード」を搭載する。ディスプレイの色温度を下げることと、LEDバックライトの輝度を下げることで、モニターから発せられるブルーライトを低減している。特徴的なのは、ブルーライトを2段階で低減することだ。ブルーライト低減モードがオフの状態の色温度は約6500K(ケルビン)。1段階目の低減モードで約5000Kまで、2段階目の低減モードで約4000Kまで色温度が下がる。2段階下げると、オフの状態に比べて83%低減できるとしている。

ブルーライト低減モードがオフの画面(左)と1段階目の画面(右)。2段階まで下げると、やや黄味が強くなってくる。写真やイラストの編集など、色温度や色味が重要な作業をする場合は、ブルーライト低減モードをオフにして使える(クリックで拡大)

4Kモニターよりも実用的

 道山氏は、「液晶モニターのアスペクト比は、『Windows Vista』のリリースを機に2007年ごろから16:10や16:9、そして2013年には21:9と、よりワイドになってきている。2014年もさらなる大画面化や高精細化が進むとみられる。そうしたトレンドに対応すべく、21:9ワイド液晶モニターの製品ラインアップを拡充した」と述べる。

 市場には、4Kの液晶モニターもまもなく登場する予定だ。LenovoやASUSは、28インチの4Kモニターを2014年春以降に発売すると発表している。道山氏は、「4Kモニターを実際見たが、製品として成熟するには、まだ時間が必要だと感じた。それよりも21:9のウルトラワイド液晶モニターの方が、実用的だと考えている」との見解を示した。

左が21:9、右が16:9の画面。21:9のウルトラワイドモニターは、16:9に比べて表示領域が33%拡大される(クリックで拡大)
今回発表した3シリーズ5品種の主な仕様(クリックで拡大)

 販売価格(予定)は、25インチの「25UM65-P」が3万4000円、29インチの「29UM65-P」が5万円、34インチの「34UM65-P」が7万8000円、同「34UM95-P」が13万5000円としている。

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