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画像診断で高まる3D表示へのニーズ、3Dプリンタとの連携も2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)

「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」では、CTで取得した2次元画像を3次元(3D)化して表示するといった展示が目立った。さらに、そのデータを3Dプリンタで印刷し、教育や診断に生かすというアイデアも提案されている。

» 2014年04月24日 11時35分 公開
[村尾麻悠子,MONOist]

 「2014国際医用画像総合展(ITEM 2014)」(2014年4月11〜13日、パシフィコ横浜)では、CTで取得した臓器などのデータを3次元(3D)で表示するビュワーを複数のメーカーが提案していた。日立メディコによれば、「CTの画像を3Dで見たい」というニーズはここ2〜3年で一気に高まったという。特に、手術前のシミュレーションで活用したいという声が多い。臓器や血管、疾患部の位置関係は、3D表示の方が把握しやすいからだ。

 東芝メディカルシステムズは、裸眼3Dディスプレイシステム「HyperViewer」を展示した。同社の医用画像処理ワークステーション「Vitrea(ヴィトリア)」と組み合わせて使う。Vitraは、CTから画像データを受け取って3Dデータを作成する。それをHyperViewerで表示するという仕組みになる。HyperViewerは、専用メガネが不要というのが最大の特長だ。同社によると、「CT画像を3Dで見たいというニーズは多いが、やはり専用メガネが煩わしいようだ」という。HyperViewerは、9視差映像(9方向から見た9つの画像データ)を1画素ごとに表示するインテグラルイメージング方式を採用し、裸眼で立体視できるディスプレイを実現した。

 造影剤の値が高いものを白く表示するなど、「IVR*)で使う画像に近いものを表示できるので、IVRに携わる医療従事者は違和感なく使うことができる」(東芝メディカルシステムズ)という。複数人で同時に観察することもできるので、術前シミュレーションだけでなく、術中参照にも役立つ。

*)IVR:Interventional Radiology。血管内治療、血管内手術とも呼ばれる。X線画像や超音波画像、CT画像を見ながらカテーテルを入れて治療する方法。

東芝メディカルシステムズの「HyperViewer」(クリックで拡大)

3Dプリンタとの連携も

 日立メディコは、3Dディスプレイシステム「eXtation」を展示した。こちらは専用メガネをかけて見るタイプだ。術前シミュレーションを主な用途としているが、将来的には3Dプリンタとの連携も視野に入れている。ITEM 2014では、eXtationのデータを使用して3Dプリンタで作成した大動脈を展示し、来場者の興味を引いていた。同社は、「3Dプリンタとの連携は、教育や患者への説明などの用途で活用できると見込んでいる」と話している。

3Dディスプレイシステム「eXtation」(左)。右はeXtationのデータを使用して3Dプリンタで作成した大動脈のモデル(クリックで拡大)

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