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東芝、電子デバイス事業で2016年度売上高2.2兆円へ――3D NANDは2014年度中にサンプル出荷へビジネスニュース 企業動向

東芝は2014年5月22日、2014年度(2015年3月期)の経営方針説明会を開催し、2016年度までの事業別売上高目標などを明らかにした。その中で、半導体、HDDなどで構成する電子デバイス事業グループ売上高を、2013年度実績1兆6934億円から2016年度2兆2000億円まで引き上げるとした。

» 2014年05月22日 15時00分 公開
[EE Times Japan]

 東芝は2014年5月22日、2014年度(2015年3月期)の経営方針説明会を開催し、2016年度までの事業別売上高目標などを明らかにした。

 その中で、半導体、HDDなどで構成する電子デバイス事業グループ売上高を、2013年度実績1兆6934億円から2016年度2兆2000億円まで引き上げるとした。


エンタープライズ向けで需要拡大見込む

説明資料に掲載されたNAND型フラッシュメモリ用途別市場規模推移(容量ベース)のグラフ 出典:東芝

 電子デバイス事業グループでの成長を引っ張るのは、主力のNAND型フラッシュメモリ事業と同メモリを使用したストレージであるSSDの事業だ。NANDメモリ需要は、スマートフォンやタブレット端末といった民生機器向けに加え、サーバやストレージ機器などエンタープライズ機器用SSD向けで需要が拡大すると予想。SSD向けのNANDメモリがNANDメモリ市場全体に占める割合(容量ベース)は2013年の17%から2016年には24%に拡大すると想定している。

3D NANDに移行へ

 これに対し、東芝はNANDメモリ事業で「微細化/次世代開発による大容量化、コスト削減の徹底追求」というこれまで同様の方針を継続し、需要増へ対応。既に2014年4月から量産を開始している15nmプロセス世代品(関連記事:東芝、15nmプロセス採用NANDメモリの量産を発表「世界初」)を、今秋稼働予定の四日市工場第5製造棟第2期分(関連記事:東芝、四日市工場新建屋の建設を開始――早ければ2014年夏稼働へ)でも量産し、その出荷比率を高めつつ、次世代型NANDメモリとされる記憶セルを縦方向に積層する3D NANDメモリの開発も加速させる。3D NANDメモリは2014年度中にサンプル出荷を開始し、2015年度後半に量産を開始する方針。3D NANDの生産体制については、2015年夏までに四日市工場第2製造棟を3D NANDメモリ専用工程の補助棟に建て替え(関連記事:東芝が四日市工場の第2棟を建て替え、3Dメモリの製造に向けて)、同工場第3製造棟、第4製造棟と連携させて製造を行っていく方針。「既存の土地、動力、製造設備を最大限に活用、効率的な3Dへの切り替え投資を実現する」という。

 SSDについては、NANDメモリ制御技術を強化しながら、HDDビジネスで得た顧客基盤を生かした拡販を実施していくとしている。

 2013年度に営業黒字への転換を果たしたディスクリート/システムLSI事業は、「“国内/民生”から“海外/車載・産業・通信”へ」と掲げて、事業構造のさらなる改革を実施していく方針。注力製品分野としては、ディスクリート事業では白色LED、DTMOS、GaN/SiCを、システムLSIでは画像認識/モーター制御用LSIとともに、FPGAなどの代替を狙う「ストラクチャード・アレイ」を挙げた。

2015〜2016年度の2年間で売上高5000億円分の上乗せ狙う

 これらの事業強化策を展開し、2016年度電子デバイス事業グループ売上高として2013年度比5000億円以上上回る2.2兆円の達成を目指す。なお、2014年度の同グループ売上高見込みは、NANDメモリの価格下落などを折り込んで1兆7100億円と2013年度比200億円未満の微増収を見込んでおり、2015〜2016年度の2年間で約5000億円の売り上げの上乗せを狙う売上高目標となっている。

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