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がれき下の生存者を見つけ出す、富士通のUWBレーダーWTP2014 / ワイヤレスジャパン2014

富士通は、がれきの下の生存者を検知するUWBレーダーを「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014)で披露した。UWB信号により、わずか数秒で生存者を検知できるという。

» 2014年05月30日 11時33分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 富士通は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014、2014年5月28〜30日)で、UWB(Ultra Wide Band)レーダーを用いて、がれきの下の生存者を検知するシステムを参考展示した。地震で倒壊した家屋や建物のがれきに埋もれた生存者を、素早く探し出すための装置である。


UWBレーダーのデモの様子(クリックで拡大)

 装置から出力されたUWB信号はがれきを通過し、がれきの下にいる生存者の呼吸による胸の低周波微動を、わずか数秒で検出する。富士通によると、「がれきの状態にもよるが、最大探知距離は5mくらいだと推定している。検知の精度については、検証やテストが難しいこともあり、まだ正しい数値が出せる段階ではない」という。なお、金属や水分を多く含むがれきだとUWB信号が通過しない、もしくは通過しにくくなるので、検知が難しくなる。

 今回展示した装置は、3.4〜4.8GHzの周波数帯(UWBローバンド)を使用している。日本の電波法では、UWBローバンドは、屋内での通信用途の使用に限られている。富士通は、「生存者検知を用途とする当社のUWBレーダー装置を実用化するには、そこがネックになっている」と話す。

 また、3.4〜4.8GHzは、3.5〜3.6GHz帯を利用する4G(第4世代)と重なるので、富士通は4.2〜4.8GHz帯を使うバージョンも試作している。

左の2枚がUWBレーダー装置。大きさは横188mm×高さ252mm×奥行き250mmで、重さは2.3kgである。右は生存者検出時の表示画面の一例。デモ展示用にモニターを使用しているが、レーダー装置本体に3.5インチディスプレイを搭載しているので、現場ではそのディスプレイで確認する(クリックで拡大)
4.2〜4.8GHz帯を使うバージョンの試作品。タブレット型になっている。試作品なので、検出時の画面を表示しているだけで電波は出ていない(クリックで拡大)

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