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2014年の半導体需要はスマホ/車載向けで前年比6.5%増へWSTS 半導体市場規模予測(1/2 ページ)

世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)は、2014年の半導体市場予測を発表した。2014年はスマートフォンや車載用途の半導体需要が好調に推移する見通しから、2013年に比べて6.5%増と予測した。伸長率が5%を超えるのは2010年以来、4年ぶりとなる。

» 2014年06月04日 11時15分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 世界半導体市場統計(WSTS:World Semiconductor Trade Statistics)は2014年6月3日、2014年の半導体市場予測を発表した。2014年はスマートフォンや車載用途の半導体需要が好調に推移する見通しから、2013年に比べて6.5%増の約3254億米ドル(約33兆4511億円)と予測した。伸長率が5%を超えるのは2010年以来、4年ぶりとなる。

4年ぶりの高成長へ

 WSTSは、世界の主要半導体メーカーが加盟した、半導体市場に関する世界的な統計機関である。今回は2014年から2016年までの3年間について、半導体の製品別・地域別の予測をまとめた。

 予測によれば、2014年は景気の緩やかな回復と、電子機器市場の安定成長が見込まれている。「2014年1〜3月実績は半導体需要の落ち込みが当初予想より少なかった。このため、2014年の市場成長率も、2013年秋に予測した4.1%増を、今回の予想では2.4ポイントも上方に修正した」と話す。

 また、2014年の半導体市場として6.5%増と予測した背景として、半導体需要をけん引するスマートフォン市場が、2014年初めから第4世代品の需要が好調であること、車載や産業用途の半導体需要が引き続き好調なこと、欧州のDGPがプラス成長となっていること、の3点を挙げた。なお、中国の半導体市場規模は、2014年1〜3月実績で世界市場の26%に達し、アジア市場の中では46%を占めるという。

 2015年以降も、2014年同様に緩やかな経済成長が続く見通しから、半導体市場は2015年に前年比3.3%増、2016年に同4.3%増と予測している。この結果、2013年から2016年までの年平均成長率は4.7%増となり、2016年の半導体市場規模として約3504億米ドルを見込む。

地域別半導体市場規模実績と予測のグラフ (クリックで拡大) 出典:WSTS
地域別半導体市場規模実績と予測 (単位:億米ドル)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 13〜16年
CAGR
世界全体 2486 2263 2983 2995 2915 3055 3253 3361 3504 4.7%
アジア太平洋 1239 1196 1600 1640 1629 1744 1905 1979 2070 5.9%
米国 378 385 536 551 543 614 627 644 669 2.9%
欧州 382 298 380 373 331 348 376 387 403 5.0%
日本 484 383 465 429 410 347 343 350 360 1.2%
円ベース
(百億円)
502 357 408 341 327 339 353 360 370 3.0%
為替レート
(1米ドル)
103.6円 93.4円 87.7円 79.7円 79.7円 97.6円 102.8円 102.8円 102.8円
2013年までは実績値、2014年以降は予測値 / WSTSの発表資料より作成

*)WSTSの地域別市場の定義:半導体メーカーの国籍や生産工場の場所には関係なく、「半導体製品が半導体メーカーから第三者に販売された地域」を意味する。「第三者」には、半導体ユーザーである電子機器メーカー、EMS、半導体を扱う商社などが含まれる。

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