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テレビ業界の“第3の波”、スマートテレビでは収益面の課題もビジネスニュース オピニオン(2/2 ページ)

» 2014年07月09日 11時01分 公開
[Rick MerrittEE Times]
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第3の波

 米国の新興企業でスマートテレビ向けコンテンツ配信サービスを手掛けるNet2TVのCEO(最高経営責任者)で創設者でもあるTom Morgan氏は、最近実施されたインタビュー(YouTubeで公開)の中で、同社の事業内容について説明している。同氏は、「テレビは第3の波を迎えている」と話す。最初の波はテレビ初のホームコメディが放送された1948年で、この番組はラジオからテレビへの移行が進むきっかけとなった。第2の波はESPNが開局した1979年だ。ESPNは、幅広いターゲット層に向けたスポーツ専門チャンネルである。

 第3の波は、スマートテレビの登場によって始まった。スマートテレビは、幅広い層ではなく、ある特定の層にターゲットを絞ったコンテンツを配信し、潜在顧客を狙ったピンポイント広告を放映する。Morgan氏は、「スマートテレビは、視聴者と広告主の新しい関係を構築する新たな経済モデルだ。こうしたテレビの形は、Net2TVが提供するようなスマートテレビ/コネクテッドデバイス向けのクラウドベースのテレビサービスによって実現できる。個々の視聴者を魅了し、その代価を支払うには、新しい形の番組や広告を制作し、その両方を視聴者に届ける必要がある」(Morgan氏)。

収益面での課題も

 ただしMorgan氏は、収益面の改革と視聴者との関係の再構築を課題として挙げている。この2つは、Net2TVやDifference Capitalの投資先企業が直面している問題だ。これらの企業は、(これまでの概念を打ち破るような)破壊的コンテンツを制作し、時間や端末に限定されない配信を行っている。また、ケーブルテレビ会社やインターネットサービスプロバイダが抱える問題を解決するための計測インフラの開発にも取り組んでいる。

 Morgan氏は、「さまざまな変化があっても、テレビの役割は変わらない。テレビは視聴者が楽しんだり、情報を得たり、夢中になったり、参加したりするものであり続ける。ESPNが提供するようなコンテンツは、これからもなくなりはしない。視聴者への配信方法が変わったとしても、ずっと続いていくだろう。今後は、多様な視聴者のうち限られたターゲット層の需要に対応するために、コンテンツの量や多様性が増えると予想される」と述べている。

画像はイメージです

 Net2TVは、幅広い視聴者を対象としたプログラム以外にも、コアなトピックを扱った魅力的なコンテンツを配信する戦略を掲げている。例えば、2014年7月7日にケーブルテレビで放送された新編成の料理番組では、ケージャンなど、一般的な料理番組では扱わないような料理が紹介された。さらに、同番組のターゲット層である視聴者が利用しそうなあらゆる視聴プラットフォーム向けに、よりコアな内容の番組も制作する予定だという。

 こうした破壊的なコンテンツは、収益面では過渡期にある。これは、米国のマーケティングコンサルタント会社であるMillard Brownが発表した報告書「AdReaction 2014」でも指摘されている。

 同報告書によると、テレビやスマートフォン、タブレット端末など複数の端末を使ってメディアを視聴するユーザーの、1日当たりの視聴時間は7時間以下だという。スマートフォンは現在、世界全体のメディア視聴時間の35%を占める最大の媒体になっている。タブレット端末の視聴時間と合計したモバイル機器の視聴時間は、47%に上るという。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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