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Amazonの「Fire Phone」を分解、iPhone並みの高性能チップを搭載製品解剖(2/3 ページ)

» 2014年07月29日 12時08分 公開
[Joel MartinTeardown.com]

Fire Phoneのデザインウィン

 Fire Phoneのハードウェアおよびチップセットに関しては、非常に優れているといえる。Teardown.comの分解チームが調査したところ、Fire Phoneでは、通信業界で競合していくために必要な多くの機能を実現する上で、さまざまな大手メーカーの安定した高品質な製品シリーズの中から設計関連部品が選ばれていることが明らかになった。

 Fire Phoneの心臓部を構成するのは、Qualcommのアプリケーション/ベースバンドプロセッサ「Snapdragon 800」である。動作周波数は2.2GHzで、2GBのLDDR3 RAMを搭載する。また、32GBのストレージを備え、携帯電話通信方式としてLTE/GSM/W-CDMAをサポート、無線LAN規格IEEE 802.11a/n/acにも対応する。Teardown.comの分析調査の結果、Qualcommは、Fire Phoneの中で最多となるデザインウィンを獲得し、無線コンボチップでもBroadcomを打ち負かしたことが明らかになった。

 下表は、Fire Phoneの主要なICのデザインウィンについて、詳細をまとめたものである。

Fire Phoneに搭載されているICのデザインウィン(クリックで拡大) 出典:Teardown.com

BOMコスト(推定)

 Fire PhoneのBOMコストは、208米ドルと見積もられている。この中には、材料やチップセット、電子部品、組立検査費用などが含まれている。当社の分解調査チームは、これまで15年間にわたり、携帯端末や家電製品などの原価計算を手掛けてきた。

 下図では、メモリやディスプレイ、電池、コネクティビティなどの関連システムについて、それぞれのコストが分かるように表示されている。ただし、これは初期段階のコスト予測であるという点に注意が必要だ。当社は今後数週間をかけて、技術やチップセット、フィルタなどに関する原価計算を個別に行い、当社のライブラリ「Mobile Device」で詳細を発表する予定である。

各部品のコスト予測(クリックで拡大) 出典:Teardown.com

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