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SiCパワー素子とその応用開発を加速、パワエレ分野で日本の優位性確保へパワー半導体 SiCデバイス

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを用いた、自動車や鉄道車両向け応用システムの開発を加速するために、3テーマの助成事業と1件の委託事業を行う。

» 2014年08月18日 13時00分 公開
[EE Times Japan]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年8月、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを用いた、自動車や鉄道車両向け応用システムの開発を加速するために、3テーマの助成事業と1件の委託事業を行うと発表した。パワーエレクトロニクス分野における日本の技術的優位性を確保すると同時に、パワーデバイスの用途を拡大するのが狙いである。

 NEDOは、2009年度より、2019年度を最終年度とする「低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト」に取り組んでおり、新材料パワーデバイスの開発プロジェクトなどを推進してきた。今回の事業もこの一環で、助成事業は2014年度より最大6年間、委託事業は2014年度より2016年度までの3年間である。

 助成事業として採択された開発テーマの1つは、「世界のパワエレをけん引する次世代パワーモジュール研究開発と日本型エコシステムの構築」(助成予定先:富士電機)。限りなく短納期でコストを節減できる次世代パワーモジュールの開発と、それを実現するエコシステムの構築を目指す。EV分野や新エネルギー分野に適用していく考えだ。

 2つ目の開発テーマは、「SiCパワーデバイスを用いた超高効率車載電動システムの開発」(助成予定先:デンソー)。SiCパワーデバイスを用いたインバータを活用した昇圧コンバータ不要のPCU(Power Control Unit)を開発し、車載電動システムのさらなる効率向上を実現していく。

 3つ目の開発テーマは、「高出力密度・高耐圧SiCパワーモジュールの開発」(助成予定先:三菱電機、三菱マテリアル、電気化学工業、日本ファインセラミックス、DOWAエレクトロニクス)である。世界最高レベルの出力密度・耐圧を実現するSiCパワーモジュールを開発し、鉄道車両の電力変換器の小型、軽量化の実現を目指す。

 委託事業として採択されたテーマは、「新世代Si-IGBTと応用基本美術の研究開発」(委託予定先:東京大学)である。材料技術やプロセス技術などを駆使することで、現行のSiCパワーデバイスと同等かそれ以上の耐圧および電流密度を実現するSi-IGBTチップとその周辺技術の開発を目標としている。

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