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» 2014年08月29日 12時30分 公開

“電力大余剰時代”は来るのか(前編) 〜人口予測を基に考える〜世界を「数字」で回してみよう(4)(3/4 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

今後60年の電力使用量は?

 さて、未来の日本の人口がどのようになるかについては、私は既に検討を終えています。別媒体の記事で恐縮ですが、「驚愕の人口・高齢化予測〜70年後に日本の人口は半分、40年後に人類未踏の高齢社会」をご一読ください。

 私は、上記の記事で、基礎データ以外の情報は何も使わず、自分で簡単なシミュレーションプログラムを作って計算を行いました(私のHPにプログラムコードを掲載しています)。

 その結果を、具体例に説明しますと、

■私の娘たちが母親になっている頃には、首都2つ分の人口が消滅し、その孫が母親になっている時代には、人口が半分になります
■今度の東京オリンピックが開催される7年後の2020年までに、太平洋戦争の我が国の犠牲者310万人を超える人口が消滅します
■第二次大戦の全世界の犠牲者数はおよそ5500万人とされていますが、2073年(60年後)までに日本一国だけで、それと同程度の人口減少が起こります

 この値は、現時点における数字(合計特殊出生率1.4人)が今後改善されることなく続いた場合ですが、この値が改善される兆候は現在のところ全く見えてきません(逆に、悪くなる要因ならいくつでも挙げられます)。

 それでは、

(1)私の「日本の電力消費量は、16年前の日本の人口と強固な相関がある」という仮説
(2)私の人口シミュレーションプログラムによる計算結果

の2つを使い、これから60年間の日本の電力消費量を計算した結果を以下に示します(詳細は、私のHPのエクセルファイルをご参照ください)。

 日本の人口は、現在のピークを超えてすでに減少を開始し始めていますが、電力使用量は、あと10年程穏やかに微増を続けます。

 その後も数年間は大きな変動は現われませんが、2030年ごろからジェットコースターのような勢いで減少が始まります。

 計算上、2070年には、現在の1/3まで電力使用量が落ち込みます。

 人間がいなくなれば、クーラーのスイッチをつける人もいなくなります。電車に乗る人がいなくなれば、電車の走行本数も田舎のバス程度にまで落ち込むでしょう。新宿や渋谷でさえスムーズに歩けるようになり、「人混み」という考え方すらなくなるかもしれません。

 既存の電力会社は、ほとんどが事業をたたむことになり、統廃合された上で国の直轄となるか、あるいは完全に民間または地方自治体が小さい発電所を運用され、「少なくとも自分の家の電力だけは、自分の家で作る」という時代がくるかもしれません*2)

*2)参照記事はこちら

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