アルテラは、「Generation 10」製品群として、新たに「MAX 10 FPGA」を発表した。新製品は、2つのコンフィギュレーション用フラッシュメモリブロックやソフトコア「Nios II」プロセッサなどを搭載している。周辺機能を集積することで、同等性能のFPGAに比べて、ボード占有面積を最大50%も節減できるという。
アルテラは2014年10月、「Generation 10」製品群として、新たに「MAX 10 FPGA」を発表した。新製品は、2つのコンフィギュレーション用フラッシュメモリブロックやソフトコア「Nios II」プロセッサなどを搭載している。周辺機能を集積することで、同等性能のFPGAに比べて、ボード占有面積を最大50%も節減できるという。産業機器や車載システム、通信/ネットワーク機器などの用途に向ける。
MAX 10は、TSMCの55nmエンベデッドフラッシュプロセス技術を用いて製造される。特に、フラッシュメモリはユーザー領域のブロックとは別に、コンフィギュレーション用として2つのブロックを内蔵している。このため、一方のコンフィギュレーションフラッシュメモリブロックに、書き換え用の回路データを格納し、別のフラッシュメモリブロックに工場出荷時に格納された安全な回路データを書き込んでおけば、アップグレード作業をより安全に行うことが可能となる。
また、コンフィギュレーション用のフラッシュメモリはこれまで外付けとなっていたが、MAX 10ではチップ内に集積した。これにより、10ms未満でコンフィギュレーションを完了させることができ、瞬時のシステム起動を可能とした。
チップ上のアナログブロックには、サンプリングレートが1Mサンプル/秒の12ビットA-Dコンバータ2個と、温度検出用ダイオードなどが集積されている。これらのアナログ機能は、温度制御やタッチパネル制御などの用途に用いることができる。
さらに、アルテラが開発したNios IIを実装することが可能である。このため、システム制御用のマイクロコントローラを別途用意しなくても済む。カスタマイズも可能で、外付けする一般的なマイクロコントローラに比べて、フットプリントを小さくできるとともに、将来にわたる供給面での心配もないという。
この他、パワーレギュレータも内蔵している。外部には同社製の電源IC「Enpirion」を1個用意するだけで済むことから、ボード設計の簡素化とBOMコストの節減が可能となる。
MAX 10は、外形寸法が3×3mmの小型パッケージで供給される。2つのコンフィギュレーション用フラッシュメモリブロックやNios IIプロセッサ、A-Dコンバータ、レギュレータの他、最大5万個のロジックエレメント、DSPブロック、RAMブロック、DDR3コントローラ、最大500本のユーザーI/Oなどがチップ上に集積されている。製品はロジックエレメントなどの規模により、7タイプを用意した。温度グレードも民生機器向け、産業機器向けに加え、車載機器向け(AEC-Q100)にも対応している。
MAX 10は既に販売中で、評価キットもウェブサイトから購入すれば、開発ソフトウェアなどをダウンロードして開発に着手することができる。
アルテラのプロダクトマーケティングシニアディレクタを務めるPatrick Dorsey氏は、「早期アクセスプログラムにユーザー約100社が参加している。その主要なアプリケーションは、産業機器、車載システム、通信/コンピュータ/ストレージの3分野である」と話す。
具体的に産業機器用途ではロボット、マシンビジョン、モーター制御を挙げた。「デュアルコンフィギュレーション機能によって、最適なアルゴリズムに再構成して画像処理などを実行することができる」(Dorsey氏)という。車載システム用途ではインフォテインメント機器のビデオ処理、運転支援システムのレーダー処理、およびEVのインバータ制御などに適しているという。さらに、通信機器関連ではI/O拡張やインタフェースブリッジ、コンピュータの電源投入シーケンスに用いられるなど、その用途は多岐にわたる。
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