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太陽光発電の損失を見つけ出す無線ストリング監視システム――太陽誘電CEATEC 2014

太陽誘電は、「CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)」において、太陽光発電システムの発電状況などを、無線方式で監視することができるPV無線ストリング監視システム「SOLMIV(ソルミーヴ」」を展示した。既存設備にも容易に取り付けが可能だ。

» 2014年10月09日 12時00分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 太陽誘電は、「CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)」において、太陽光発電システムの発電状況などを、無線方式で監視することができるPV無線ストリング監視システム「SOLMIV(ソルミーヴ」」を展示した。既設の太陽光発電システムにも容易に対応することが可能である。

 SOLMIVは、ストリング(複数の太陽電池モジュールを直列に接続したブロック)ごとに取り付ける子機(SSU:ストリングセンサーユニット)と、350台までの子機を監視できる親機(MU:マネジメントユニット)からなる。SSUとMU間、SSU同士は、2.4GHz帯の周波数を利用した短距離無線ネットワークを使い、測定したデータを定期的に通信する。しかも、マルチホップ方式の無線通信ため、MUとSSUの距離が離れていても、途中にあるSSUを介してバケツリレー方式で通信することができる。

親機(左)と子機(右)の外観

 太陽電池モジュールが1枚故障したり、日陰になって発電量が低下したりすると、同一ストリング内のモジュール全てに影響を与え、発電効率が下がるという。このため、モジュールに不具合が発生した場合には、その箇所を早期に発見し、適切に対処することが必要となる。

 しかし、「既存の太陽光発電システムにおいて、ストリング単位で発電状況をモニタリングしているケースは4割程度にとどまっている。しかも、モニタリングは有線方式で行われているのが一般的で、この方式だと監視システムを後付するなどのシステム変更は容易ではない」(説明員)という。

 SOLMIVの設置は簡単だ。SSUを架台に固定し、太陽電池モジュール同士をつないでいるコネクタを外し、その間にSSUのコネクタを再結合させれば取り付けが完了する。MUはイーサネットケーブルから給電できる場所であれば、どこにでも設置することができる。SSU同様に架台に取り付けて、太陽電池モジュールから給電することも可能である。また、ストリング電流や太陽電池モジュール電圧を、遠隔監視するためのソフトウェアも用意しており、無償で提供する。これによって、リアルタイムに発電中のデータの確認が可能で、過去の発電データとの比較も容易に行える。

ブースでは、遠隔監視するためのソフトウェアを使って、自社太陽光発電システムの発電状況をグラフで表示した。

 太陽電池モジュールが故障したり、日陰になって発電量が低下したりした場合に不足した電力を補い、その影響を最小限に抑えるマイクロコンバータ「SOLHUERU(ソルフェル)」も用意している。不具合が発生した、あるいは可能性のある場所にマイクロコンバータを接続しておけば、発電量を疑似的に上げることができるという。「1日のうち、ある一定時間だけ日陰になり、発電量が低下するようなケースに有効である」(説明員)と話す。

 SOLMIVの主な仕様は、最大システム電圧が1000V DC。SSUは、測定できるストリング電流範囲が0.5〜12A、測定精度は3A以上で±1%、3A未満は±2%。通信プロトコルは独自方式を採用した。

CEATEC JAPAN 2014(CEATEC 2014)

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