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» 2014年10月29日 10時30分 公開

2020年の商用化を目指して:「ようやく5Gの要件が整った」――ノキアが展望を語る (2/2)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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新旧技術の“集合体”

 10Gビット/秒(Gbps)のスループット、1ms以下の遅延など、5Gには多くの要件がある。赤田氏は「10Gbpsのスループットを実現するためには、直進性の強いセンチメートル波帯(3GHz〜30GHz)やミリ波帯(30GHz〜300GHz)をどうしても選ばざるを得なくなってくる。そのため、ミリ波、センチメートル波の研究開発がさかんに行われているが、5Gに必要な技術はそうした新しい技術だけではない。むしろ、5Gは新旧の技術の集合体であると考えている」と語る。

 ノキアは5Gへの取り組みを含め、“1人当たり、1日1Gバイトのデータ通信”を実現すべく、パートナー企業/教育機関とも連携して共同開発や実証実験を進めていく。なお、欧州では、5Gの取り組みを共同で進めていく団体「5G Infrastructure Public Private Partnership(5G PPP)」が2013年に発足したが、同団体の議長をノキアが務めている(関連記事:5Gの実現に立ちはだかる2つの壁)。

左=ノキアは、「5Gはこれまでの技術の集合体である」と考えている。右=5Gのロードマップ。5Gで使用する周波数帯は2018年か2019年に決まる予定だ(クリックで拡大)

マクロセルとスモールセル間で負荷を自動調整

 ノキアは2015年に発表を予定している「ダイナミックeICIC(enhanced ICIC)」のデモを展示した。ノキア製の基地局に搭載して使用するソフトウェアだ。eICICは、隣接するマクロセル間、あるいはマクロセルとスモールセルの間で干渉制御を行う技術である。マクロセルとスモールセルの負荷を考慮しながら、ハンドオーバーオフセット(領域の拡張)の適用とABS(Almost Blank Subframe)パターンの変更を動的に行っていく。

左=「ダイナミックeICIC」の概念。隣接するセル間で負荷の差が生じた時に、ハンドオーバーオフセットとABSパターンの変更によって干渉を制御し、負荷の差を解消する。右=ノキアの基地局。赤枠はマクロセル、青枠がスモールセル(クリックで拡大)
デモの様子。左=マクロセルが1つ、スモールセルが2つある。マクロセルのエリアには4つの端末、スモールセルにはそれぞれ1つずつ端末が接続されている。マクロセルのエリアのエッジにある2つの端末「Device 2」と「Device 5」(黒枠で囲んだ端末)は、スモールセルからの干渉を受けてスループットが下がっている(赤枠を参照)。右=そこで、eICICを適用する(オンにする)と、Device 2とDevice 5がスモールセルのエリアに取り込まれた。もともとスモールセルのエリアにあった2つの端末のスループットは落ちた(赤枠を参照)が、Device 2とDevice 5のスループットが上がっていることから、負荷が分散されたことが分かる(クリックで拡大)

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