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日本から世界に発信し続ける“強いTEジャパン”を目指すタイコ エレクトロニクス ジャパン 社長 上野康之氏(1/2 ページ)

2015年1月1日付で、タイコ エレクトロニクス ジャパン(以下、TEジャパン)の社長に上野康之氏が就任した。「“強いTEジャパン”として存在価値を示したい」という同氏にインタビューした。

» 2015年01月16日 11時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 2015年1月1日、電子部品大手TE Connectivityの日本法人・タイコ エレクトロニクス ジャパン(以下、TEジャパン)の社長に、これまで日本での自動車向け事業を統括してきた副社長の上野康之氏が就任した。過去15年以上にわたり社長を務め、同日退任した江部秀氏とともに、TEジャパン売上高の50%以上を占める主力事業へと育ててきた経験を生かし、さらに“強いTEジャパン”を目指すという。

 2013年に自動車向け製品の最新鋭工場、掛川工場(静岡県掛川市)を稼働させ、2015年にはTEジャパンが中心となって、日系自動車関連顧客向け製品を主に生産するタイ工場を立ち上げる。自動車向けビジネスを中心に積極的な攻勢を仕掛けるTEジャパン。

 上野氏に、新社長としての抱負や今後の事業戦略などについて聞いた。


しっかりとしたブレない体制作り

――2015年1月1日付でTEジャパン社長に就任されました。新社長としての抱負をお聞かせください。

上野康之氏 現在のTEジャパンは、売り上げ面でも、人員面でも半分以上を自動車事業が占める。まずは、ベースの事業といえる自動車事業を、国内外でこれまで以上に充実させて、伸ばしていくということが、新社長としての大きな目標だ。

 そして、もう1つTEジャパン全体として、自動車産業で培ってきた製品技術や生産技術、カスターマーサービスを、さまざまな産業の日系の顧客向けにきちんと確立して、提供していく。そうして、“強いTEジャパン”として存在価値を示し、発展させていきたいということが新社長としての抱負になるだろう。

 基本的な方針は、江部前社長の下でも取り組んできたことの延長線上にあるのだが、今後、世の中は変わっていくだろうから、変化が起きた時に、きっちり変化に追従できる体制を作りたい。日本の産業の一部は、世界的な競争力が弱まっているけれど、いずれまた、強くなる時期が来る。強くなった時に、われわれの体制が小さければ対応できない。そのためにも、しっかりとしたブレない体制を作りたい。

入社以来、自動車向けビジネスに従事

――経歴を見ると、自動車事業に長く携われてきたようですね。

上野氏 1983年の入社以来、ほぼ、ずっと自動車事業を担当してきた。20年以上前のことになるが、当時、米国に赴任していた江部前社長と2人で、日本で作った自動車向け製品を、米国向けにアレンジし現地製造する“ローカリゼーション”を成功させ、米国自動車メーカーの採用を獲得した。振り返れば、日本で開発された部品が、米国自動車メーカーに採用されたという事例は初めてだったのではないだろうか。

 そうした経験もあり、日本発の製品技術、生産技術、そしてカスタマーサービスを世界に展開したいと常に考えている。外資系企業ながら日本の地に足を着けて、開発や生産をイチからやってきたことが、国内外の顧客から支持を得ている要因になっていると自負している。

TEジャパンが完全サポートするタイ工場

――日本からのさまざまな発信はこれからも強化されていくのですね。

上野氏 はい。直近でも、掛川工場をマザー工場にして、2015年1〜2月から立ち上げる予定のタイ工場(タイ・チャチューンサオ県)のサポートを全面的にTEジャパンが行っている。

 掛川工場は2013年5月に稼働を開始した、自動車向けコネクタを開発から生産まで手掛ける工場で、掛川工場で培ったさまざまなノウハウをタイ工場に移していくことを狙っている。将来的には、タイ工場でも掛川工場同様、現地開発を行いたいと考えている。

 タイ工場で生産する製品のおおよそ80%は日系の自動車関連顧客向けに出荷する予定。タイ、東南アジア地区でも、高品質、日本品質の生産が行えるようフルサポートしていく。TE Connectivityとして初めての自動車向け製品を主力にする東南アジア地区工場であり、成功させたいと考えている。

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