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大歓声の中でもシュート音やバッティング音を拾う音声処理技術センシング技術(2/2 ページ)

» 2015年01月28日 14時00分 公開
[EE Times Japan]
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音の空間情報と音源の時間的性質を活用

 2014年9月には、数本のマイクロホンを用いて観測した信号を用いて、周囲雑音を抑圧する信号処理技術「高騒音下対応マイク技術」を開発。主に空間情報を用いて目的音や雑音の周波数スペクトルを推定する技術で、角度幅60°にある目的音とその他雑音を区別して集音できた。しかし、スポーツ施設における歓声や応援は、全周囲から到来するので、この高騒音下対応マイク技術を単に適用しただけでは、競技音だけをクリアに抽出することができなかった。

 そこで同社は、鋭い立ち上がりを持っている競技音の特性をうまく利用し、空間情報だけでは取り除けなかった雑音(歓声や応援)と目的音(競技音)を区別するための処理を高騒音下対応マイク技術に追加。音の空間情報と音源の時間的性質の双方を活用することで、2本程度のマイクロホンでも、狙った音をクリアに抽出することを可能にしたという。

「ターゲットマイク技術」のイメージ (クリックで拡大) 出典:NTT
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「ターゲットマイク技術」の説明動画

東京五輪中継でも使用される?

 NTTでは、グループ会社を通じて、1年以内の実用化を目指すとした上で、東京五輪が開催される2020年までには、「さまざまなパートナーとのコラボレーションを通じ、スポーツ観戦において、より臨場感ある競技音の体験を世界中の人々に提供できるよう取り組んでいく」としている。

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