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インテルが買収を決めたLantiqとはビジネスニュース M&A(1/2 ページ)

インテル(Intel)は、宅内通信機器(CPE)で強みを持つドイツのLantiqを買収する。スマートゲートウェイ事業を強化することが目的だ。インテルは、モノのインターネット(IoT)市場に注力するという戦略を、着々と実行しているようである。

» 2015年02月04日 12時20分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

 Intelは、ブローバンドアクセス技術とホームネットワーキング技術のサプライヤであるドイツのLantiqを買収することで最終合意に達したと発表した。ただし、買収条件については明らかにしていない。取引は、規制当局の承認を受けた時点で完了となる。完了は約90日後となる見通しだ。

 Lantiqは、DSL向け製品などブロードバンド通信関連の技術を手掛ける。Intelは、Lantiqのこうした技術をさらに強化することで、ブロードバンドゲートウェイの世界市場で存在感を増したい考えだ。Intelは、現在の住居用ゲートウェイ事業を、DSLや光ファイバー、LTE、スマートルータなど他の分野にも拡大する計画だとしている。

 幅広いデバイスとホームサービスをつなぐ次世代ゲートウェイ市場への本格参入を狙うIntelにとって、特に魅力的だったのは、ブロードバンド向けの宅内通信機器(CPE)市場におけるLantiqの存在感だ。

 Lantiqの前身は、Infineon Technologiesの有線通信部門である。米国の投資会社であるGolden Gate Capitalが2009年夏に同部門を買収し、独立企業として設立した。2012年にCEOに就任したDan Artusi氏はGolden Gate Capitalの元社員で、Lantiqを成功へ導いた。

MIPSを軸とした製品群

 Lantiqの特長の1つは、同社のポートフォリオがImagination TechnologiesのMIPSプロセッシングコアを軸としていることだ。

 Artusi氏はImagination Technologiesが2014年夏に開催した「Imagination Summit」で、「2000年初めにMIPS CPUのライセンス供与を受けて以来、当社はテレコミュニケーションやブロードバンドCPE、ルータ、ホームゲートウェイに特化した半導体企業として、2億個以上の通信プロセッサを出荷してきた」と語った。

 Lantiqは2014年5月に、BroadcomやCavium、Ikanos、PMC-Sierra、Qualcommなどと共に、「prpl(pronounced purple)」というコンソーシアムを10社共同で立ち上げた。同コンソーシアムは、MIPSの広範囲にわたるオープンソースコードの標準規格の策定を目指している。

 Intelに買収されたことでprplにおけるLantiqの活動がどういった影響を受けるのかは、現時点では分かっていない。

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