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ドコモ、5Gに向け4.5Gビット/秒の高速データ通信に成功無線通信技術

NTTドコモは2015年3月2日、第5世代移動通信方式(5G)の実用化に向けた技術開発の一環として、15GHz帯の高周波数帯を用いて受信時4.5Gビット/秒以上のデータ通信に屋外で成功したと発表した。

» 2015年03月02日 17時25分 公開
[竹本達哉,EE Times Japan]

 NTTドコモは2015年3月2日、第5世代移動通信方式(5G)の実用化に向けた技術開発の一環として、15GHz帯の高周波数帯を用いて受信時4.5Gビット/秒以上のデータ通信に屋外で成功したと発表した。またミリ波を活用した「ビーム追従機能」により、70GHz帯で受信時2Gビット/秒以上の屋内データ通信に成功したことも明らかにした。

通信機器ベンダー8社と実験協力

 同社は2014年5月に、アルカテル・ルーセント、エリクソン、富士通、NEC、ノキアネットワークス、サムスン電子と6社の通信機器ベンダーと5Gに関する実験で協力することで合意(関連記事:ドコモ、5G実験で国内外の通信機器6社と協力)。さらに2014年12月に三菱電機と、2015年2月にファーウェイとそれぞれ同様の協力に関して合意し、5Gの実現に向けた実験を実施してきた。

エリクソンと4.5Gビット/秒達成

 今回の成果は、それら実験協力から生まれたもの。屋外での4.5Gビット/秒の超高速通信データ通信は、エリクソンと共同で実施して得た成果だ。局所的なエリアをカバーするスモールセル環境での通信を想定し、屋外に設置された基地局(光張り出し構成)と測定用車両に搭載した移動局装置(携帯電話機に相当)を用いて実験を行い超高速通信データ通信に成功した。使用した周波数は、15GHz帯で、帯域幅は400MHz。最大4ストリームのMIMO多重を使用し、時速約10kmの移動速度で実験し、最大受信速度4.58Gビット/秒、基地局アンテナ装置から半径100m以内の範囲で平均2Gビット/秒以上の通信速度を達成したとする。

左=基地局アンテナ装置と測定車(移動局装置) 右=計測された通信速度 出典:NTTドコモ

ノキアとミリ波帯ビーム追従で成果

 ミリ波帯での通信実験は、ノキアネットワークスと共同で実施。信号減衰の大きな70GHzのミリ波帯で移動環境において高速通信を行うため、鋭い指向性を有するビームを用いて移動局装置に向けてスポット的に電波を送信。利用者を追従するビーム追従機能の検証を行った。その結果、屋内にて、小型基地局装置(アクセスポイント)と歩行速度で移動する移動局装置との間の通信で2Gビット/秒以上の無線伝送に成功したという。

左から小型基地局装置、測定装置(移動局装置)、計測された通信速度 出典:NTTドコモ

 NTTドコモでは、2020年の東京オリンピックの開催までに「モバイル環境で競技ハイライトの臨場感のある超高精細映像や複数の角度から視聴ができるマルチビュー映像を楽しめるようにするなど、最先端の通信ネットワークを提供するために5Gの研究開発に取り組んでいく」としている。

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