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手に乗せた“バーチャル心臓”が鼓動する! ホログラムを医療現場へ外科手術を大きく変える可能性(1/2 ページ)

近い将来、外科手術が大きく変わるかもしれない。イスラエルRealView Imagingは、医師が手のひらに、臓器のホログラフィ画像を乗せ、自由に動かしたり触ったりできる技術を開発している。2013年には、同技術を利用して16歳の患者の心臓外科手術が行われた。

» 2015年04月01日 11時45分 公開
[Ariella BrownEE Times]

 人間の心臓が空中に浮かび、医師がその周りを歩いてあらゆる角度から心臓を観察する――。まるで、SF(サイエンスフィクション)映画の一場面のようだ。この技術が実用化されれば、外科医が患者の臓器を診察する方法が一変するかもしれない。同技術の試験プログラムは既に行われていて、2016年に医療施設での運用が開始される予定だという。

 米国のテレビドラマ「Grey's Anatomy(グレイズ・アナトミー)」では2014年春に、ホログラフィが登場するストーリーが放送された。「We Are Never Ever Getting Back Together」の回で、Burke医師はCristina医師をスイスのチューリッヒに呼び寄せ、彼らが手術する患者の心臓のホログラムを見せた。実際には、この部分の映像は、医療用ホログラフィ技術を手掛けるRealView Imagingの技術支援を受けてイスラエルで撮影されている。

photo 心臓をホログラフィ画像で表示している。RealView Imagingの動画より抜粋(クリックで拡大)

メガネは不要、触って動かすこともできる

 RealView ImagingはPhilipsの協力の下、イスラエルのPetach Tikva(ペタクチクヴァ)にあるSchneider Children's Medical Center(シュナイダー小児医療センター)で、ホログラフィ技術を適用した器質的心疾患最小侵襲手術(切開を最小に抑えて患者の負担を軽減する)の試験を実施した。このシステムが投影した画像は、メガネなどを装着しなくても視認でき、触って動かすこともできる。プレスリリースによると、「PhilipsのIVR(画像下治療)技術と心臓超音波装置で取得したインタラクティブでリアルタイムな情報を、RealViewの革新的な視覚化技術を使って3Dホログラフィ画像で表示している」という。IVRとは、画像診断装置で体内の様子を見ながら、体内にカテーテルや針を入れて治療する方法である。

photo ホログラフィ画像を触って動かすことができる。RealView Imagingの動画より抜粋(クリックで拡大)
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