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エンジニア史に残る10人の女性たち(後編)ハリウッド女優から初の女性宇宙飛行士まで(1/3 ページ)

サイエンスやテクノロジーの発展に多大な貢献をした女性エンジニアに焦点を当てる本稿。後編となる今回は、現在の無線通信技術の基礎を築いたハリウッド女優や、「宇宙膨張」の発見の足掛かりとなった天文学者などを紹介する。

» 2015年04月01日 16時00分 公開
[Suzanne DeffreeEE Times]

「エンジニア史に残る10人の女性たち」(前編)はこちらから

Hedy Lamarr:無線技術のパイオニア

 最も美しいハリウッド女優の1人として知られるHedy Lamarr(ヘディ・ラマー)は、無線技術関連の発明家でもある。

 Lamarrは1941年、夫でピアニストのGeorge Antheilとともに、安全な無線通信技術のアイデアを提出し、1942年に米国特許(特許番号:2,292,387)を取得した。これは周波数ホッピングの基礎技術で、敵に悟られずに魚雷を制御する手段として使えるのではないかと考えられた。1940年代、米海軍はこの技術をずっと無視していたが、1962年に特許が切れた後、軍艦に採用している。

 LamarrとAntheilの周波数ホッピングのアイデアは、今日のスペクトラム拡散通信技術へと発展し、Bluetoothなどで使われている。

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Emmy Noether:「ネーターの定理」の生みの親

 ドイツに生まれたユダヤ系の数学者Emmy Noether(エミー・ネーター)は、抽象代数学と理論物理学の分野で多大な功績を残している。

 Noetherは、「系に連続的な対称性がある場合、それに対応する保存則が存在する」という定理を証明した。これは後に「ネーターの定理」となり、近代物理学の発展の元となった。また、環論でも有名である(ネーター環)。

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