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ダイエットは2カ月以上続かない!? 〜その真偽を検証してみる世界を「数字」で回してみよう(16) ダイエット(2/9 ページ)

» 2015年06月17日 09時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

退路を断って、納期(12月24日)に立ち向かう

 最初に、このデータをご覧ください。これは、前回(第1回)にご紹介した、「ダイエット」という文字列を含むニュース見出し(ニュースヘッドライン)数の推移です。

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 周波数解析(FFT)の結果、この見出し数には、4カ月単位の周期性があることが分かり、5月のゴールデンウィーク直後と、1月の正月休み直後のブームを発見することができました。

 しかし、計算上、9月下旬から10月上旬に、もう一度、ダイエットブームが来ても良いはずなのですが、これがニュースヘッドライン数からは読み取れないので、「そういうものなのかなぁ」と無理に納得していました。

 さて、この度、私は「ダイエットサイクル2カ月説」の検証作業のために、「ダイエット始めます」と記載されたページ数と、そのページが作成された月(“1月”、“2月”など)を調べてみました。この結果、意外なことが分かってきました。

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 10月から12月に「ダイエット始めます」の決意表明しているページ数が、通常の2倍以上に跳ね上がっていたのです*)。ニュースヘッドラインでは、「ダイエット」という言葉が現われてこないにもかかわらず、です。

*)この結果が、ダイエット開始時期を正確に現わしているとは限りませんが、ノイズが均一と仮定すれば、大体のトレンドは現われていると思います。

 妥当な仮説を思い付けなかった私は、嫁さんに相談してみました。

江端:「10月から12月は、己の脂肪やぜい肉を隠し通せる時期だろう。この時期に、わざわざ自分から『ダイエット始めます』と宣言する理由が分からん」

嫁さん:「秋になるとご飯がおいしくなって食欲が増すし、冬はいろいろなイベントで食べる機会が多くなるからねー」

江端:「食事の広告が山ほど登場するこの時期には、『ダイエット』のニュースは出しにくいのか。マスコミや出版業界のジレンマが見えるな」

嫁さん:「それと、時期的に見て、やっぱり『クリスマス』かな」

江端:「え? それって『イブの夜のに備えて』という意味?」

嫁さん:「いや、それ以前のフェーズ。『クリスマスを1人で過したくない』→『そのためには、恋人をつくる必要がある』→『そのためには、ダイエットする必要がある』」

江端:「ちょっと待った。その「因果の連鎖」は、十分条件は言うまでもないが、必要条件すら成立していないぞ」

嫁さん:「納期(12月24日夜)が絶対的な状況下にあって、個人として取り得るオプションとしては、『ダイエット』と『合コン』の合わせ技くらいしか残っていないと思う」

江端:「それは、『みんな、ダイエットと恋人ができることの間には因果関係があると思っている』ということだな」

嫁さん:「『思っている』のではなく『知っている』。ダイエットをすれば必ず恋人ができるわけではないけど、この時期(10〜12月)に太っていることが、恐しく不利に働くことを『知っている』のだと思う」

江端:「それが、10月から12月に「ダイエット始めます」が、2倍以上に跳ね上がる理由か。自分の退路を断って、納期(クリスマスイブ)に立ち向うのか……」

 ―― 本気で涙が出そうになりました。

 前回のコラムで、私はダイエットの2大目的を「健康」と「美容」と言いましたが、「美容」の向こう側には「恋愛」があり、さらにその向こうには「結婚」も控えていると考えるのが妥当なのでしょう。

 この「ダイエット−恋愛戦略」の関係は非常に大きなテーマであると思いますので、どこかで、連載1回分を丸々使って、この件を検討していきたいと考えています。

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