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無線テスターのリーダーとして、生産コストの低減と品質向上に導くLitePoint マーケティング部長 Adam Smith氏

LitePoint(ライトポイント)は、無線対応機器の普及とともに、開発現場/製造現場の双方で品質を維持しながら、時間短縮/コスト圧縮を実現する無線テストソリューションを提供し、急成長を遂げてきた。今後も、自動車など無線対応アプリケーションの拡大が見込まれる中で、新たな無線通信技術/規格に対応するテストソリューションを提供していく方針だ。同社マーケティング部長を務めるAdam Smith氏に製品/技術開発方針などを聞いた。

» 2015年08月24日 00時00分 公開
[PR/EE Times]
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無線対応機器の75%以上はLitePoint製品で評価/試験

――LitePointの強みはどの辺りにありますか。

Adam Smith氏 LitePointは、シングルボックスのワイヤレステスターのパイオニアであり、高スループットが求められる製造現場向けワイヤレステストソリューションの開発についても、リーダー的存在だといえます。

 1つの強みが技術力です。技術力の高さを示す1つの例が、われわれの技術の浸透度でしょう。今日使われているWi-Fi通信機能を備えた機器のうち、75%以上のもの機器が、LitePointの技術を使ってテスト、評価されているのです。LitePointは、Wi-Fi、BluetoothからZigBeeまで、通信規格の評価基準となっているのです。

 そして、もう1つのわれわれの強みが、強力な技術サポートも提供している点にあります。当社は、現在使われているワイヤレスチップセットの300を超える品種に合わせて、自動テストソリューションをカスタマイズして提供できる体制を整えています。こうしたサポート体制は、テストソリューション・プロバイダーとして唯一だと考えています。

 革新的なワイヤレス製品を量産化する際に深い専門知識が提供できる「強力なサポート」と、業界の標準を生み出す「技術」の両方を持つが故に、スマートデバイスのテストの分野における世界的なリーダーだと自負しているわけです。

新規格にいち早く対応し、市場をリード

――製品/ソリューション開発方針を教えてください。

Smith氏 まず、新しい無線通信規格への対応です。新たな規格の初期ドラフトがリリースされた時点で、新しい製造現場向けのワイヤレステスターを開発するようにしています。早い段階で大手チップセットメーカーと組みながら、われわれが開発中のテストソリューションが、チップセット量産時に、顧客からの要件を満たせるかどうかを確認しながら開発を進めています。

 新しい規格に対応したテストソリューションの開発以外にも、研究開発リソースを投じているものとして、効率的なツールの開発があります。このツールとは、ハードソフトを問わず、無線機器の開発現場と製造現場の負荷を軽減するものです。例えば、データを集めてDVT(Design Verification Test/設計評価試験)リポートを作成するには多大な作業を要します。そこで当社は、データ解析ツール「IQramp」を開発しました。これは、DVTリポートの作成とデータの統計/解析を専門に行うツールであり、開発エンジニアの負担を軽減し、強いては開発期間そのものを短縮するものです。IQrampを使用することで、製品競争力の向上につながるような、より重要な作業にリソースを割くことができるようになります。

――日本国内では現在、「zSeries」のプロモーションに力を入れていているようですが、zSeriesとはどのような製品ですか。

Smith氏 zSeriesは、パワーアンプ(PA)やフロントエンドモジュール(FEM)の計測に特化したテスターであり、PAスクリーニングや製品開発の初期段階に最適な製品です。この製品のデジタル・プリディストーションアルゴリズムや、ダイナミックEVM(Error Vector Magnitude)は、研究開発現場で広く受け入れられています。研究開発の負担を減らせるPAスクリーニングツールもまた革新的で、RFICのDVT向けでは注目に値する機能です。部品レベルテストに加えて、zSeriesの完全なワイヤレス信号処理ライブラリとソフトウェアツールも、好評です。

「zSeries」のイメージ

カスタマイズ性を持ちながらも即座にデータ収集可能なソリューション

――zSeriesと他のPXIベースのソリューションの違いはどこにありますか。

Smith氏 多くのPXIベンダーは、顧客がカスタムの計測システムを構築できるよう、さまざまな計測モジュールとソフトウェアビルディングブロックを提供しています。顧客は、計測モジュールとソフトウェアビルディングブロックを選び、計測システムとして構築する必要があります。

 一方で、zSeriesのPA/FEMテスターは、RFジェネレータ、RFアナライザ、電源、パルス発生器、オシロの機能をソフトウェアを含めて内蔵しています。ですから、ユーザーは即座に計測データの収集を始めることができます。複雑にモジュールを組み合わせていく必要はありません。こうした点で、PXIベースのソリューションとは異なるのです。

 ただ、一部の用途に向けては、PXIベースの計測器も展開しています。例えば、新製品の「z8653 wideband VSA」は、1GHzの解析帯域幅を備え、IEEE802.11acの80+80MHzの信号用full spectral maskは、1回の信号取り込みだけで即座に解析が行えます。さらに、IEEE802.11ac 160MHz向けのRFICの評価に欠かせない「VHT160テスト」において、優れたEVM性能を実現しています。このように、一部のワイヤレステストアプリケーション向けに特化したPXI計測器で、市場をリードしている部分もあります。

スループットを5倍高めるテスター

――製造現場向けテスターでの注力製品について教えてください。

Smith氏 製造現場では、歩留り向上を図るため、安定性と、カスタマイズされたターンキーソリューションが、常に顧客からは要求されています。そうしたニーズに応える製品が「IQxelファミリ」です。IQxelファミリは長きにわたり、当社の主力製品群であり、テスティング業界に常に新しい変化を生み続けています。

 現在の主力製品のIQxel-M8は、IEEE802.11acからZigBeeに至るまで、さまざまな無線通信規格のテストを可能にする製品です。搭載されているRFポートを介して最大8台の機器を同時にテストできます。これにより、1個ずつ機器をテストしていく方法に比べて、スループットを5倍以上、高めることができます。

――IQxelファミリでは、「IQxel-160」もリリースされました。

Smith氏 Wi-Fiが11nから11acに進化した中で、IQxel-160も、注力している製品です。11acはこのほど、Wave1からWave2に進化しました。2015年後半には、11ac Wave2に対応したチップセットがもっと出てくるでしょう。さまざまな機器メーカーがWave2に関する開発を加速させる中で、IQxel-160は、11ac Wave2に対応した製品の量産化に貢献できる強力なツールとなると考えています。この製品は、要求されている帯域幅以上を備えていて、11ac対応のデバイスに要求されるEVMも満たしています。さらに、Wave2の80+80/160MHz計測のテスト要件もカバーし、1024QAM、マルチユーザーMIMO、インプリシット及びエクスプリシットビームフォーミングなど、多くのWave2の機能もサポートしています。

ますます「テスト」の重要性が高まる

――スマートフォンなど無線対応機器は競争が激しく、変化も目まぐるしいですね。携帯電話機ビジネスにおけるテストの重要性にも今後、変化が生じるのでしょうか。

Smith氏 スマートフォン、携帯電話機などの事業では今後も、製品投入までの時間(Time-to-Market)と品質が成功の鍵になると思っています。

 市場で戦い続けるためには、適切な機能を備えたデバイスを、適切な時期に開発しなければなりません。かつ、ユーザーの忠誠度を構築できるレベルの品質も備える必要があります。

 そこで、重要になるのが、“製造時のテスト”です。

 ワイヤレステストのリーダーとして、われわれはマルチDUT携帯無線テストシステム「IQxstream」を通じて、携帯電話機市場の顧客が、エンドユーザーを満足させられる品質の製品を市場に投入できるよう、貢献してきました。

マルチDUT携帯無線テストシステム「IQxstream」

 ただ、今後も携帯電話機のテストは、より複雑になっていきます。例えば、4G携帯電話LTEバンド数は2016年には20以上に増えると見られています。その結果、スマホに搭載されるアンテナの数は増加し、テスト機器にデバイスを接続する際に、課題をもたらすことになるでしょう。

 LitePointは最近、「Factory Efficiencyツール」を発表し、これによってそうした課題を解決しようとしています。

 また、新しく投入されるスマートフォンの最大30%に、デュアルSIMカードが搭載されるようになる予想されています。これにより、さらにテスト時間は増えることになります。

 ビジネスの世界では、“Time is Money”(時間とはお金である)であり、テストにかかる時間が増え、製造コストが増加すれば、投資に対する最終的なリターンにも影響が及ぶことになります。つまり、携帯電話機メーカーは、ブランド力や品質を損なうことなく、「製品投入までの時間」と「量産までの時間」を短くできるようなテストソリューションを見つける必要があります。こうしたテストソリューションは、さまざまなテスト機能を完全に統合したものであるべきだと考えています。

車載市場、無線モジュール市場に注目

――日本市場はどのように見ておられますか。

Smith氏 日本は、常に技術トレンドに敏感で、さまざまなアプリケーションにおいて新しい概念を採用しようとする市場だと考えています。なかでも、日本の車載エレクトロニクス市場はそうした傾向が強く、当社として最も有望視している市場であり、急速な成長を見込んでいます。車載市場では、V2X用無線規格「IEEE802.11p」をはじめとして、さまざまな無線技術が大きな役割を果たすと期待されています。

 LitePointは、車載エレクトロニクス市場が現在のように大きな注目を集めるずっと前から、車載向けの技術を準備してきました。もちろん、IEEE802.11p対応テスターについても、チップメーカーと提携して開発を進め機器開発時、量産時の双方でIEEE802.11pの測定ニーズを満たせるよう、既にIQxelファミリでIEEE802.11p対応を済ませています。

 そして、もう1つ日本で注目しているのが、品質を追求する日本企業の姿勢です。

 例えば、世界中の大手民生機器メーカーは、品質を維持するために、採用する部品について妥協を許しません。そのため、世界の全ての部品/モジュールのサプライヤーは、より厳しいテストを行って、より高い品質を追求しています。そうした中で、日本のワイヤレスモジュールメーカーは常に、大手民生機器メーカーの重要なサプライヤーとなっています。それも、日本企業が高い品質を追求し続けている結果といえるでしょう。

 われわれは、「顧客の生産コストの低減と品質の向上」というビジョンを掲げており、品質コントロールの点でも、絶対的な自信を持っています。LitePointは、高い水準で品質を追い求める日本企業のニーズに応えられるよう努力を続けていきます。


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提供:ライトポイント・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年9月30日

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