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家族目線のカメラセンサー、暮らしを優しく見守る赤ちゃんやペットのわずかな変化も見逃さない(1/2 ページ)

オムロンは、ネットワークカメラセンサー「HVC-C2W」を開発した。コンセプトは“家族目線”。表情や性別などを認識し、その結果を無線でモバイル端末へ送信することで、外出先からも赤ちゃんやペットの様子を確認できる。同社が20年近く開発してきた独自のセンシング技術で実現した。

» 2015年08月26日 07時00分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 オムロンは2015年8月25日、手のひらサイズのネットワークカメラセンサー「HVC-C2W」を開発したと発表した。表情や性別、年齢など13項目の検出・推定機能を持ち、認識した結果を無線でモバイル端末に送ることで、外出先からも赤ちゃんやペットの様子を確認できる。

 従来の画像センサーはIoTやビッグデータによって需要が増加しているが、カメラや処理システムは高度な知識や技能を必要としていた。HVC-C2Wは、いつでもどこでも簡単に使えることを目指したという。そのコンセプトは“家族目線”。「ずっと見て、気付いて、知らせてくれるもう1人の家族として暮らしをサポートする」(同社)と語る。

 価格は、2万9800円(税込)。2015年9月11日からAmazonで発売され、楽天市場でも9月中に発売するとしている。2015年度中に、1万台の販売を目指す。

ネットワークカメラセンサー「HVC-C2W」 (クリックで拡大)

 HVC-C2Wの仕様は、以下のようになっている。

検出・推定機能:顔検出、手検出、人体検出、ペット検出、動体検出、音声検出、顔認識、性別推定、年齢推定、表情推定、顔向き推定、視線推定、目つむり推定
解像度:1280×720pixel
画角:100度
外形寸法:カメラセンサー部は、幅70mm×奥行42mm×高さ70mm/スタンド取付時(直立状態)は、幅70mm×奥行67mm×高さ147mm
重量:カメラセンサー部は100g/スタンド取付時総量は287g
入出力インタフェース:IEEE 802.11 b/g/n
使用環境温度:0℃〜35℃


20年近く開発を続ける独自のセンシング技術

 HVC-C2Wは利用するは、専用のアプリが必要になる。9月11日の発売時点では、赤ちゃん見守り用の「家族目線 あかちゃん」とペット見守り用の「家族目線 ペット」がAndroid版でリリースされる。iOS版は9月下旬から対応予定だ。Android4.1以降、iOS7.0以降に対応する。

 アプリをダウンロード後、HVC-C2Wを無線LANに接続することで、クラウドに送られた画像をアプリで見ることが可能だ。例えば、赤ちゃん見守り用のアプリだと「音声」と「動き」を感知し、本気泣きの前に、ぐずり始めたら通知してくれる。笑顔を自動で撮影したり、暗い場所でも撮影したりできるので、見逃しているかもしれない豊かな表情を、後から見ることもできる。

「HVC-C2W」の動作システム(クリックで拡大) 出典:オムロン

 表情や性別などを認識するセンシング技術は、同社が20年近く開発を続けている独自の顔画像センシング技術「OKAO Vision」によって実現した。HVC-C2Wでは、同技術をフルに活用したことで、上記13項目の検出・推定が可能となっている。

 同技術は、これまでデジタルカメラやモバイル端末、ロボットなどの組み込み機器で使われており、小さな端末でも高い検出・認識性能をリアルタイムで実現することから、今までに5億ライセンス以上の出荷実績があるという。

ぐずりそうなときや、笑顔のときはモバイル端末に通知してくれる(左)/カメラを正面から見た瞬間や、笑顔の瞬間は、写真を自動的に撮ってくれる(右) (クリックで拡大)
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