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西武鉄道の車両が東芝の高効率モーターを採用へ2017年春に運転を開始する新型車両40000系向け

東芝は、西武鉄道の新型車両40000系向けに同社の高効率モーターと4in1VVVFインバータ装置を組み合わせた駆動システムが採用されたと発表した。西武鉄道の量産型車両には初めての採用という。

» 2015年08月27日 09時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 東芝は2015年8月24日、同社の全閉型永久磁石同期電動機(以下、全閉PMSM)と4in1VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ装置を組み合わせた駆動システムが西武鉄道の新型車両40000系に採用されたと発表した。西武鉄道の量産型車両向けとしては初めての採用という。

 2016年春より出荷が開始され、同システムが搭載された新型車両は、2017年春から運転が開始される予定である。

*)PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor

全閉PMSM (クリックで拡大) 出典:西武鉄道

従来システムと比較して、30〜50%の消費電力を削減

 全閉PMSMは、定格効率97%を実現する高効率なモーターで、全閉構造であるため内部清掃が不要で、メンテナンス性の向上にも貢献している。

全閉型永久磁石同期電動機 (クリックで拡大) 出典:東芝

 4in1VVVFインバータ装置は、1台の冷却器に対して4つのインバータ回路を配置した4in1インバータユニットを2台搭載することで小型、軽量化を実現。1台のインバータ装置で8台の全閉PMSMを駆動することにより、力行(電力の供給を受けて車両が加速する状態)の消費電力量を削減するとともに、独自の制御方法で電力回生ブレーキの負担を増やし、回生電力量を増加させて車両全体の省エネを実現している。これにより、同システムは従来システムと比較して、30〜50%の消費電力の削減が見込めるという。

 東芝は、今後も省エネ効果が高く、ライフサイクルコスト低減を実現したシステムを開発し、グローバルに鉄道事業を展開していくとしている。2015年8月上旬にも、シンガポールの鉄道事業であるSMRTの車両に、東芝の高効率モーターが採用されている。*)

*)関連記事:海外の鉄道会社が東芝の高効率モーターを採用へ

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