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3D XPointから7nmプロセスまで――Intel CEOに聞くIntelは今、何を考えているのか(2/3 ページ)

» 2015年08月28日 13時45分 公開
[Rick MerrittEE Times]

「3D XPoint」は相変化メモリなのか

EE Times 3D XPointについて詳しく知りたいという声が高まっている。3D XPointに使われている材料は?

Krzanich氏 それについては、まさに今日説明したところだ。3D XPointは、3次元積層アレイの高速スイッチである。相変化メモリなのではないかと何度も聞かれたが、それに対しては、「バルク材料を利用しているため相変化メモリとは少し異なる」と説明した。バルク材料の特性を利用しているため、純粋な相変化メモリではない。非常にユニークな性質だといえるだろう。

EE Times DDR4専用のエクステンションではなく、3D XPoint DIMM用のインターフェースを提供してほしいとする声が多いようだが、その予定は。

Krzanich氏 当社は今日(8月18日)、3D XPointが、SSD向けPCI Express準拠のインタフェースをベースとしていることを明らかにした。今後も引き続き、最も広く普及している標準バスアーキテクチャを推進していきたい*)

*)関連記事:インテルが3D XPointをデモ、SSDは2016年に

“Tick-Tock-Tock”という開発サイクル

EE Times Krzanich氏の仕事では、難しい決断を下さなくてはならないかと思う。プロセスノードごとに2世代ではなく3世代のプロセッサを開発するロードマップは、世間では“Tick-Tock-Tock”*)ともいわれているが、これはどのように生まれたのか。

*)Intelの「Tick-Tock」モデルとは、プロセスノードの微細化(Tick)と、アーキテクチャの更新(Tock)を交互に図っていく開発ロードマップのこと。Tick-Tockは2年サイクルだが、Intelが開発サイクルを2年半としたことで“Tick-Tock-Tock”と呼ばれることもあるようだ。

Krzanich氏 今はリソグラフィの移行期間で、これは半導体業界史上、最も長くかかると考えている。われわれは、本来はEUV(極端紫外線)露光技術を導入する予定だった時期から、既に2世代ないし3世代は遅れている。これにより、マルチパターニングや設計の複雑化など、多くの課題が生じている*)

*)関連記事:ASMLがEUVリソグラフィ開発の最新状況を公表(1)〜ArF液浸の限界

photo Brian Krzanich氏

 直近の2世代では移行期間が2年というより2年半に近かった。われわれは素直に10nm世代に目を向けたが、EUV露光技術はまだ完成していない。マルチパターニングの回数は増えていくばかりだ。それで、開発ロードマップのサイクルを2年半とした。難しい決断だった。

 ただ、7nmプロセスではEUV露光技術を導入できる可能性も高い。私も、“開発サイクルはずっと2年半のままだ”と言うつもりはなかった。

 私はIntelの年次報告書の中に、「ムーアの法則は以前は12カ月だったが、その後18カ月、24カ月と変わっていった」と書いた。このように変化した経緯はあるが、私は(ムーアの法則を)諦めるつもりはないし、終わったと言う気もない。

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