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キヤノンのプリント技術は物体の“質感”を再現する歴史的文化財に直接触れられる?

キヤノンは物体の質感情報をプリントで再現する画像処理技術を開発したと発表した。作品に直接触れる鑑賞や、オリジナルの作品を良好な環境で保存するといった活用が見込まれているという。

» 2015年09月09日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 キヤノンは2015年9月8日、照明の方向や見る角度で変化する物体の質感情報をプリントで再現する画像処理技術を開発したと発表した。質感情報とは、物体の光沢感、立体感や透明感のことを指す。

歴史的文化財を直接触れられる?

 今回開発された画像処理技術は、最初に同社のデジタルカメラを複数台用いて対象物を撮影する。撮影した画像から、微細な凹凸や光沢などの質感情報の数値化を行う。数値化された情報をプリンタの特性に応じて制御することで、オリジナルの質感を再現しているという。

金のびょうぶ。向かって右側がプリント出力されたもの、左側が本物である(左)/プリント出力された油彩画(右) (クリックで拡大) 出典:キヤノン

 今回の技術は上記の写真のように、金属や生地、質感のプリント表現も可能にする。油彩画などの貴重な歴史的文化財を複製することも可能だ。そのため、同社は「作品に直接触れることができる新しい鑑賞方法や、オリジナルの作品を良好な環境で保存するといった活用も見込まれている」とリリース上で語る。

 同社は、これまで培ったプリント技術に加え、今回の画像処理技術を強化することで、インテリア素材や広告看板、商品パッケージなど適用先の拡大を目指すとしている。

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