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PC用と通信用の差が広がるIC市場、その要因は?2015年 用途別/市場別IC市場予測

IC Insightsは2015年の用途/地域別ICの市場規模予測を発表した。2013年に最大市場だったPC用を超した通信用が、その差を2014年の1.1%から2.7%まで拡大している。IoTやスマート端末の普及が進んでいることから、2つの差は2015年以降も大きくなっていくと考えられる。

» 2015年09月11日 10時10分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 米国の市場調査会社IC Insightsは、2015年の用途/地域別ICの市場規模予測を発表した。地域別では、日本を除いたアジア太平洋地域(以下、AP)が、約1737億米ドルで構成比58.9%を占めるという。続いて、北米は約676億米ドルで構成比が22.9%、欧州が約305億米ドルで構成比が10.4%となっている。日本は約230億米ドルで構成比が7.8%と他の地域と比べて少ない。

 用途別で見ると、通信用が約1129億米ドルで構成比が38.3%、PC用が約1050億米ドルで構成比が35.6%と大きな割合を占めている。同社によると、「今まで最大市場だったPC用を2013年に通信用が上回り、2015年はその差を2.7%ポイントまで拡大すると予測する」という。2014年の同予測と比較すると、PC用は約1040億米ドルで通信用が約1073億米ドルと差は1.1ポイントであった。IoTやスマート端末の普及が進んでいることから、2つの差は2015年以降も大きくなると考えられる。

2015年のIC市場予測
民生機器
自動車
PC
産業機器
通信
政府/軍事
合計
- 金額 割合 金額 割合 金額 割合 金額 割合 金額 割合 金額 割合 金額 割合
北米 86.72 2.9 41.30 1.4 233.02 7.9 35.40 1.2 265.47 9.0 14.75 0.5 676.65 22.9
欧州 14.75 0.5 72.27 2.5 85.54 2.9 44.24 1.5 85.54 2.9 29.5 0.1 305.29 10.4
日本 38.35 1.3 32.45 1.1 70.79 2.4 23.60 0.8 64.89 2.2 0.2 0.0 230.28 7.8
AP 193.29 6.6 69.32 2.4 660.72 22.4 94.39 3.2 713.82 24.2 5.90 0.2 1737.43 58.9
合計 333.10 11.3 215.32 7.3 1050.08 35.6 197.63 6.7 1129.72 38.3 23.80 0.8 2949.65 100.0
APはアジア太平洋地域の略。割合の単位は%。金額の単位は億米ドル 出典:IC Insights

2016年は自動車用もAPがトップに?

 日本は、通信用とPC用の市場が大きく、PC用が約70億米ドルで通信用が約64億米ドルとなっている。政府/軍事用が約2000万米ドルと少ないのが特徴的だ。

 全体の構成比が58.9%のAPも、PC用と通信用の構成比が高い。PC用は660億米ドル、通信用は713億米ドルと予測している。APは唯一、政府/軍事用で北米と差がついている。この傾向はしばらく続くと予測されている。

 欧州は、自動車用で最も大きい市場となり、72億米ドルである。しかし、APも69億米ドルと差はほとんどない状況だ。中国の自動車市場が成長を続けるので、2016年にはAPが欧州の市場を越すと予測しているという。

 IC Insightsは2012〜2018年までの年平均成長率(CAGR)も報告している。最も高いCAGRは、産業用で9.1%だ。通信用が8.2%と続いている。自動車用のCAGRは6.1%と予測されているが、「全体のシェアは2015年の7.2%から大幅に伸びることはなく、8.0%以上にはならないと予測している」(IC Insights)という。

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