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8ビットPICマイコン向け新開発環境を発表TCP/IPやUSBなどの機能ライブラリを新たに用意(2/2 ページ)

» 2015年09月15日 20時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]
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開発ボードは新たに3種類

 3種類の開発ボードも新たに用意した。1つはプログラマとデバッガを内蔵したエントリレベルの開発ボード「Curiosity(DM164137)」である。この製品は8/14/20端子のPDIPを採用した8ビットPIC MCUを搭載しており、外部コネクタを介してMCUに内蔵されたCIPにアクセスすることができる。外部コネクタとしては、MikroElektronika製のClickアドオンボードに対応したmikroBUSソケットの他、マイクロチップ製Bluetooth LE通信モジュール「RN4020」を接続することができる。価格は20米ドルである。

新たに用意した3種類の開発ボードの外観

 2つ目が開発ボード「OICDEM Lab II(DM163046)」である。アナログ及びミックスドシグナルに重点を置いた開発/学習用ツールで、ブレッドボードをプロトタイピング領域として備えている。開発プロジェクトの早期段階でカスタム仕様のプリント配線板を作製する手間とコストを削減できる。また、モジュール設計となっているため、複数のPIC MCUを同時に使ったシステム設計を行うことができるという。搭載された各種インタフェース/コネクタを用い、外部拡張も容易である。価格は100米ドルとなっている。

 もう1つが開発キット「Explorer 8(DM160228)」である。ヒューマンインタフェース、電力変換、IoT(モノのインターネット)、バッテリー充電といったMCUがサポートしているさまざまな機能を実機で検証/確認することができる。価格は75米ドルである。

8ビットMCUで世界シェア首位

マイクロチップでMCU 8部門のバイスプレジデントを務めるSteve Drehobl氏

 同社は、CPUコアのアーキテクチャを変更せずに、CIPを充実させることで、8ビットMCUを進化させてきた。マイクロチップでMCU 8部門のバイスプレジデントを務めるSteve Drehobl氏は、「調査会社Gartnerによれば、2014年の組み込み機器向けMCU市場は約160億米ドルである。このうち8ビットMCUは約63億米ドルであり、32/16ビットMCUと比べて市場規模は最も大きい。8ビットMCUは用途が広範で、端子数のラインアップなどにより、これからも拡大し続ける」と語る。

 こうした中で同社は、CPUコアのアーキテクチャを変更することなく、周辺モジュールの機能を強化することで8ビットMCU自体を進化させてきた。「これまで蓄積してきた開発資産を流用することで開発工数を短縮し、生産性を向上したい、という顧客の要求に応えてきた」(Drehobl氏)からだ。その結果、8ビットMCU市場において、同社の売上高シェアは2014年より再び首位に返り咲いたという。

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