体の動きで相性を判断？ メイカソンが育てるIoT：ルネサスのMakers支援プロジェクト（1/3 ページ）

　「電子工作を楽しんでもらうことで、IoTの裾野を広げたい」――。ルネサス エレクトロニクス（以下、ルネサス）は、2012年から「がじぇっとるねさす」（通称：がじぇるね）プロジェクトを立ち上げ、同社のマイコンを搭載した電子工作ボードを提供し、Makers（メイカーズ）のモノづくりを支援する取り組みを行っている^＊）。

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　ルネサスは2015年9月26日、同社のBluetooth Low Energy（BLE）基板「GR-CARRY」を用いて、制限時間内に作品を作り上げる「がじぇるねメイカソン」を開催した。メイカソンは、新しいアイデアを制限時間内にモノとして作り上げ、完成度やアイデア性を競うコンテスト。今回は11チームが参加。ここでは、メイカソン最後に行われた各チームによるプレゼンの模様を中心にお伝えする。

感情を持ったAIがポストをコンシェルジュ

　最初に紹介するのは、チーム「ポスト入魂」による“ポストの出来事”をまとめてくれるコンシェルジュサービス「POSBee」である。

　朝に郵便物を取りに行かされたが、ポストの中に何もなかったという経験をしたことがある人は多いのでないだろうか。特に、エレベータがなく、階数の高い団地に住んでいる方々にとっては地獄である。

　そこで登場するのがPOSBeeだ。POSBeeは宅配便や郵便物、ご近所さんが持ってきてくれるタマゴや野菜も判別して、メールと音声で通知をしてくれる。1日の終わりには、その日にあった“ポストの出来事”をレポートとしてメール送信してくれるため、外出先からでもスマホでポストの中身を確認できる。感情を持ったAIがスマホから音声で報告してくれるのも特徴的だ。

　POSBeeは、ポストに入力されたデータを無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」で飛ばし、Webサービス「IFTTT」経由でメール通知を行う。POSBeeAPIによって感情生成の処理が行われた後、音声による通知も行ってくれる。

　今後は、雑居ビルや集合住宅のポスト、私書箱用などに通知方式の最適化や郵便物の差出人を検出する機能の導入などを行っていきたいとしている。

左＝「POSBee」のデモで使われたポスト/右＝POSBeeの今後の発展。「感情を持ったAIが思ったよりも面白かったので、ポスト向けのチューニングをしていきたい」（ポスト入魂チーム）と語る （クリックで拡大）

きゃりーぱみぱみゅで紫外線対策？

　次に紹介するのは、「NO MORE UV!!」チームによる持ち歩き紫外線対策グッズ「きゃりー」である。同チームのメンバーが、日焼け止めは2〜3時間に1回塗りなおさなければいけないことや冬にも紫外線が降り注いでいて、紫外線の対策が十分にできていないことを知ったことが作るきっかけとなっている。

　きゃりーは、2回振ると紫外線の測定が始まる。LEDと振動モーターが付いており、紫外線の強さを電圧で測るセンサーを使って紫外線を検知すると光や振動で教えてくれる。測定から一定時間が経過すると「日焼け止めを塗ってください」といった指示をBLEを通してスマホに通知してくれる。「便利だけじゃなくてかわいくなければ使ってくれない」という思いから、きゃりーぱみゅぱみゅさんの顔をイメージしたデザインとした。

左＝紫外線対策グッズ「きゃりー」の構成/右＝紫外線対策グッズ「きゃりー」。きゃりーぱみゅぱみゅさんをイメージしたかわいいデザインとなっている （クリックで拡大）

　さらに、きゃりーはセンサーの付け替えや、他のセンサーを2〜3個付け加えられるため、温湿度センサーなどを付ければ熱中症対策などにも応用できるという。