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SSDのフォームファクタ福田昭のストレージ通信(17) フラッシュメモリの現在(2)(2/2 ページ)

» 2015年10月14日 09時00分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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PCIeの採用でSSDの性能を引き出す

 SSDの特徴に、入出力速度(IOPS)の高さとデータ転送速度(スループット)の高さがある。IOPSとスループットが向上していったことで、既存のHDD用インタフェースであるSATAとSASは、SSDの性能を引き出せず、性能を制約するボトルネックとなっていった。

 そこで高速のSSD製品ではインタフェースにPCIeを採用するようになった。PCIeインタフェースは極めて高速で、SSDの性能をフルに引き出せる。クライアントPCで搭載するPCIeスロットの数が増加したことも、PCIeタイプのSSDへの注目を促すこととなった。

 特に注目を集めているのは、小型のフォームファクタ「m.2」を採用したPCIeインタフェースのSSDである。mSATA SSDの後継として開発されたもので、mSATAよりも小さく、しかも高速に動作するSSDを実現した。

m.2フォームファクタのPCIeインタフェースSSD m.2フォームファクタのPCIeインタフェースSSD (クリックで拡大) 出典:Objective Analysis

 一方で、PCIeインタフェースの2.5インチSSDという不思議なフォームファクタが出現した。PCやサーバなどのPCIeスロットに拡張カードとして装着するPCIe SSDで、十分ではないかと思われる。Handy氏は、PCIeインタフェースの2.5インチSSDは短命に終わると予想する。

 PCIeインタフェースのSSD全体を通していえるのは、PCIeインタフェースチップとSSDコントローラチップを統合したワンチップ化が、コストを下げるだろうということだ。また搭載するNANDフラッシュメモリも、より低いコストのタイプへと移行する。1個のメモリセルに1ビットを格納するSLC品がエンタープライズ向け、1個のメモリセルに2ビットを格納するMLC品がクライアント向けというのがこれまでの使い分けだった。今後は、MLC品がエンタープライズ向け、1個のメモリセルに3ビットを格納するTLC品がクライアント向け、という使い分けに変わる。この移行により、記憶容量当たりの単価が下がる。

次回に続く

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