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» 2015年11月26日 11時30分 公開

AllSeen Allianceと合併すべきだったとの声も:IoT標準化団体のOICとUPnPが合併へ (2/2)

[Rick Merritt,EE Times Japan]
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ソフトウェアの提供も

つながるイメージ IoTのイメージ 出典:OIC

 また同氏は、「さらに重要なことに、UPnPは、スマートフォンからテレビに至る数十億台ものデバイスで既に使われているソフトウェアベースを、OICに提供するようだ」と述べている。AllJoynは「Windows 10」でサポートされているが、UPnPも、もともとMicrosoftとIntelがPCと周辺機器の接続するプロセスを自動化するために設立した団体であることから、Windows 10でサポートされている。UPnPフォーラムのプレジデントを務めるScott Lofgren氏は、「AllJoynを採用しているデバイスのほとんどが、UPnPも搭載していることになる」と述べる。

 Lofgren氏は、「合併後の団体は直ちに、OICのオープンソースソフトウェアフレームワークである『IoTivity』ソフトウェアスタック向けプラグインの開発に取り掛かる予定だ。OICデバイスとUPnPデバイスの相互通信の実現を目指していく」と述べている。OICは、計画している認定プログラムの一環として、UPnPのソースコードやテストツールを使用する予定だという。

 OICは長期的に、UPnPの無線LANルーター制御機能を導入していく予定だとしている。Richmond氏は、「ホームオートメーションに関するシナリオも幾つか用意している。デバイスの電源が切れたりパワーセーブモードになることがないよう、タイムベースのスクリプトを採用する必要があるためだ」と述べる。

 Lofgren氏は、「UPnPのソフトウェアは、SOAP(Simple Object Access Protocol)とSSDP(Simple Service Discovery Protocol)をベースとしている。しかしUPnPは、過去1年間にわたってJSONなどのRESTful技術を採用し、XMPPも使用していることから、OICの規格と非常によく似通ってきている」と述べている。

 また、OICとUPnPはいずれも、リソースに制約のあるデバイスを接続できるようUDPをサポートしている。一方AllJoynは、RPC(Remote Procedure Call)形式のDBusをベースとしている。Richmond氏は、「DBusを実装することにより、エンドノードでより多くのリソースが必要になる他、RESTful APIのような高い効率で拡張できなくなるだろう」と指摘する。

 かつてQualcommのソフトウェア担当幹部を務め、AllJoyn関連の取り組みで指揮を執っていたRob Chandhok氏は、2015年初めに、「OICとAllSeen Allianceが合併することにより、GoogleのThreadとAppleのHomeKitに取って代わるオープンな代替規格を提供すべきだ。両団体の合併なしに、GoogleとAppleの2強に立ち向かっていくことは不可能だ」と語っていた。同氏は現在、IoT関連の新興企業であるHeliumでCOO(最高執行責任者)を務めている。

 AllSeen Allianceの設立を主導したLinux FoundationでIoT担当シニアディレクタを務めるPhilip DesAutels氏は、数週間前に行われたインタビューの中で、Chandhok氏とよく似た意見を述べている。

 DesAutels氏は、「AllSeen AllianceとOICは、高いレベルで同じ問題の解決に取り組んでいる。このため、1つの組織となって前進していくべきだ。両団体が合併しなければ、最終的には市場が断片化され、ユーザーも不満を抱くことになるだろう」と語っている。

 今回のOICとUPnPの契約合意は、Intelが両団体の設立のサポート役だったという点も功を奏したのではないだろうか。AllSeen Allianceはもともと、Intelの最大のライバルであるQualcommが主導したプロジェクトだ。

 ワールドワイドウェブコンソーシアム(W3C:World Wide Web Consortium)は現在、IoT向けアプリケーション層ソフトウェアを推奨すべく、独自の取り組みを進めているところだ。Richmond氏は、「OICは、JavaScriptベースの参照や実装によって規格を適用することに長けていることから、W3Cのこのような取り組みに参加する上で、最適な位置付けにある」と述べる。

 OICは今回の合併合意の一環として、新たにUPnPワークグループを設立することにより、OICの組織全体において使用するUPnP規格や認証ツールを維持していきたい考えだ。また、OICへの不参加を決めた企業については、手数料を払えば、もう使われなくなった旧式のUPnP認証を使用できるようにするという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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