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TDKがTrigenceに投資、IC内蔵基板の用途拡大へモバイル機器向けデジタルスピーカーの開発加速

TDKは、Trigence Semiconductorに対して、インテルキャピタル及び産業革新機構と共同で出資した。TDKは、モバイル機器向け小型デジタルスピーカーの開発などを支援していく。

» 2016年01月05日 15時00分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 TDKは2015年12月、Trigence Semiconductor(以下、Trigence)に対して、インテルキャピタル及び産業革新機構と共同で出資したことを発表した。Trigenceは、TDKのIC内蔵基板「SESUB」を活用して、モバイル機器向け小型デジタルスピーカーの開発などを加速していく。

 Trigenceは、デジタルスピーカー向けデジタル信号処理技術「Dnote」の開発を行っている。この技術を用いるとデジタル信号を直接スピーカーに送ることができるため、消費電力の低減と省スペース化、音質の向上が可能になるという。この技術はすでに、日本のオーディオメーカーとライセンス契約を結んでいる。

「SESUB」の構造 「SESUB」の構造。配線層の2層目と3層目の間にICを埋め込み、上部に受動部品を搭載している(クリックで拡大)

 TDKのSESUBは、薄加工したICを基板内に埋め込み、水晶振動子やコンデンサなどの周辺回路部品を基板上に実装することができるIC内蔵基板である。この技術をベースに、これまでにIoT機器向け無線通信モジュールなどを開発し供給している。

 Trigenceはこれまで、インテルキャピタル及び産業革新機構などからの支援を受けてきた。今回はSESUBの応用市場拡大などを目的に、TDKもTrigenceへの投資を決めた。TrigenceのDnote技術とTDKのSESUB技術を組み合わせることで、デジタルスピーカー用回路基板上の実装面積を削減できるため、機能モジュールの小型化や薄型化、優れた放熱特性が実現することが可能になるという。

 Trigenceでは、TDKと協力しつつマートフォンやタブレット端末に向けた小型デジタルスピーカーシステムの開発を加速していく予定である。

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