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幅広い在庫をいち早く届け、エンジニアのイノベーションをサポートし続けるDigi-Key President兼COO デーブ・ドハティ氏

通販型電子部品ディストリビュータの世界的大手であるDigi-KeyのPresident/COO(社長兼最高執行責任者)に2015年、就任したデーブ・ドハティ氏。「Digi-Keyの成功は、非常に幅広い製品を取り扱い、豊富な在庫量を確保し、いち早く製品を届けるというビジネスモデルにある。これからも、このDigi-Keyの良さをさらに強化する」と抱負を語るドハティ氏に、2016年の事業戦略などについて聞いた。

» 2016年01月12日 00時00分 公開
[PR/EE Times]
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「とにかく、エンジニアに対して、より良いサービスを提供する」

――1985年から約20年間にわたり、マーク・ラーソン氏が務められてきた社長職を引き継がれました。ドハティさんのご経歴を教えてください。

デーブ・ドハティ氏 エレクトロニクス業界で25年間、身を置き、2008年1月にDigi-Keyに入社した。入社後は、上席副社長として、事業運営全般を担当してきた。具体的には、ディストリビューション、マーケティングをはじめ、製品の満足度調査、アプリケーションエンジニアリング、E-コマース、テクニカルサポートなどあらゆる事業をみてきた。

――新社長就任に当たっての抱負、目標をお聞かせください。

ドハティ氏 当社の使命は、エンジニアの皆さんに喜んでもらい、人々の生活や社会をより豊かにする革新的な製品を開発できるように努力することだ。社長として、この使命を果たすことが目標であり、とにかく、エンジニアに対して、より良いサービスを提供することが重要だと考えている。

 エンジニアは、いったん設計を終えてしまえば、デザインに採用した製品が「調達可能なのか」「在庫はあるのか」ということをとても気に掛ける。エンジニアは、最終消費者から早期市場投入を要求されているからだ。そこで、エンジニアが製品をいち早く市場投入できるよう支援することが当社が目指すゴールだ。

 これまでDigi-Keyは、非常に幅広い製品を取り扱い、豊富な在庫量を確保し、いち早く製品を届けるため当日発送サービスを実施してきた。これらのことは、Digi-Keyが大きな成功を収めるに至った要因であり、今後も引き続き、こうした取り組みを強めていく。

 取り扱うデバイス/部品数を拡張していくだけでなく、モジュールやリファレンスデザインから、アプリケーションノート、EDA用モデル、フットプリント情報に至るまでの設計ソリューションも同時に提供していきたいと考えている。

――Webサイトの強化も欠かせません。

ドハティ氏 当社のビジネスモデルの鍵となるのは、当日発送サービス、在庫の幅広さ、そして、その幅広い在庫を探し出せる強力なWebサイトにある。Webは当社と顧客が双方向にコミュニケーションを行う基本的なツールと位置付けている。顧客からの声に耳を傾け、Webサイトの改良を今後も積極的に実施する。

倉庫は米国に1カ所だけ

――グローバルにビジネス展開されていますが、倉庫は本社を置く米国ミネソタ州シーフリバーフォールズの1カ所だけです。

ドハティ氏 1つの倉庫から、全ての製品を出荷するという点は、Digi-Keyのユニークな点の1つだ。繰り返しになるが、当社の中核的な戦略である“最も幅広い品種の在庫を持つこと”にある。ただし、それとは反対に、顧客は、効率的な生産が行えるように“最小限のロット”で、製品を手に入れることを求めている。

全世界に向けて製品を出荷する米国ミネソタ州シーフリバーフォールズの本社兼倉庫

 豊富な在庫を持ちながら、小ロットで製品提供するためには、世界中のニーズを1カ所に集めることが肝心だ。1つの倉庫しか持たないことで、この幅広い豊富な在庫をサポートできているのだ。

日本での固定客が増加

――2015年のビジネスはいかがでしたか。

ドハティ氏 2015年は、過去最高の年間出荷製品数、顧客数を達成することができた。ただ、受注ごとの規模を見ると若干、小さくなってきており、世界経済の低迷の影響を受けていると感じている。

 売り上げ額は、米ドルが高くなった影響で、米ドルベースではほぼ横ばいに落ち着きそうだが、各地域の現地通貨換算でみれば1桁台の成長を実現できた見込みだ。

――2015年の日本でのビジネスはいかがでしたか。

ドハティ氏 売上高自体は、他の地域と同様、為替影響で米ドルベースではほぼ横ばいという感じだろう。ただ、2015年は、日本の顧客の行動に、興味深い変化が見られた年だった。

 変化というのは、2014年までに比べ、顧客当たりの購入頻度が増えたことだ。これは、Digi-Keyの豊富な品ぞろえが、日本のエンジニアに認知され、より多くの“お得意さま”を得ることができたからだと分析している。

 われわれは、すぐに出荷できる状況で127万点の在庫を持ち、オンラインで扱っている製品数は460万点を超える。650社以上の、有名サプライヤーの製品を扱う正規販売代理店として、当社は、日本の設計エンジニアの技術革新を可能にしていると考えている。2015年に設計エンジニアが当社を利用する回数の上昇がみられたことは、経済がより安定すれば、日本での事業規模は一層、拡大するだろう。

成長を見込む2016年

――ことし、2016年の展望をお聞かせください。

ドハティ氏 エレクトロニクス業界の2016年は、横ばいあるいは一桁台の成長となるとの予想が多い。Digi-Keyとしての業績は、これまでのビジネスモデルを忠実に貫き、リソースをカットしなければ、たとえ市況が予測を下回り低調になっても、1桁台半ばから1桁台後半の成長を実現できると見込んでいる。

 日本でのビジネスも、引き続き2016年も攻勢をかけて、成長を目指していく。日本のエレクトロニクス/エンジニアリング業界には、優れた技術力と、これまでにない新たなニーズを創出するような革新を起こす力を兼ね備えている。当社は、日本で起こるだろう技術革新をサポートできると信じている。

少なくとも10万点の新製品を提供

――事業成長を図るために、2016年に実施される事業施策を教えてください。

注文を受けたその日に発送する体制を整えている

ドハティ氏 引き続き、最新の製品をとりそろえているワンストップショップであり続けるため、取り扱い商材を増やしていく。IoT、センサー、マイコン、コネクティビティ、セキュリティといったあらゆる分野において、さまざまな動きが起こっている。特にRF、ワイヤレス、加速度センサーといった分野では、さまざまなチップを統合したモジュールレベルの製品が増えてくるだろう。顧客が、製品検索や設計調査を加速できるよう、Webサイトに掲載する製品も増やしていく。2016年には、少なくとも10万点の新製品が掲載される予定だ。

 サポート面については、年中無休のカスタマーサービスとテクニカルサポートの拡張を図る。一般的な営業時間にしか対応しないということは、顧客を制約してしまうことになる。当社のテクニカルサポートチームによるライブチャットの認知も高まってきた。もし見つけたい物が探し出せない場合は、ライブチャットで気軽に問い合わせてほしい。

 日本市場向けの取り組みとしては、Webサイトにおけるユーザーエクスペリエンスの向上を引き続き図っていく。具体的には、日本語による情報、コンテンツを強化していく。

ユーザーの声に耳を傾け、いち早く対応する

――エレクトロニクス業界は、目まぐるしく変化しています。そうした中で、今後も通販型電子部品ディストリビュータとして成功していくために必要なことは何でしょうか。

ドハティ氏 電子部品のディストリビュータというのは、ある意味特殊で、他の分野とは異なるものがある。これからも普遍的に、顧客が求める情報/製品に、瞬時にアクセスできる環境を提供することが必要だ。Webサイトは、コンテンツや製品を検索しやすく、カートの機能も使いやすい、有用なインタフェースでなければならないだろう。

 とはいえ、将来については不透明部分が多く予想は難しい。しかし、1つだけ明確なことは、われわれのサービスや製品の進化を加速させるのは、デマンドチェーン/サプライチェーンの最前線にいる購買担当者やエンジニア、さらにはエンドカスタマーだということだ。

 こうした人々の声に耳を傾け、最も速くその声に応えることが、ディストリビュータとして成功するための条件だ。当社は、ニーズをよくくみ取り、そのニーズに応えるべくカスタマーと提携していくことに、喜びを感じていきたい。


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提供:Digi-Key Corporation
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2016年2月11日

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