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ADIがIoT向けCortex-M3搭載マイコンを製品化低消費電力を追求

Analog Devices(ADI)が新しいマイコン製品群「ADuCM302xシリーズ」のサンプル出荷を開始した。

» 2016年02月23日 14時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 Analog Devices(アナログ・デバイセズ/以下、ADI)は2016年2月23日、IoT(モノのインターネット)機器向けに、CPUコア「ARM Cortex-M3」を搭載した低消費電力マイコン製品群「ADuCM302xシリーズ」を発表した。シリーズ第1弾として、フラッシュメモリ容量128kバイト品(ADuCM3027)と同256kバイト品(ADuCM3029)のサンプル出荷を開始した。量産出荷は2016年7月を予定している。

 新マイコン製品群ADuCM302xシリーズは、「セキュリティ機能と信頼性機能を一切損なうことなく、IoTアプリケーション機器の動作寿命を伸ばし、運用コストを削減する」(ADI)をコンセプトに開発。アクティブモードで38μA/MHz未満、スタンバイモードで750nA未満と消費電流を低く抑えている特長を持つ。

フラッシュメモリ容量256kバイト品「ADuCM3029」のブロック図 (クリックで拡大) 出典:Analog Devices

 CPUコア(ARM Cortex-M3)の最大動作周波数は26MHz。EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)のベンチマーク・テスト「ULPBench」で245.5ポイントを獲得し、「他の汎用プロセッサを大幅に上回る性能を備えている」(ADI)とする。

 IoT機器で必要になるセキュリティ機能として、未認証ユーザーが機器内部の情報を読み取ることを防ぐ読み取り防止機能や、機器のプログラムが不正コードにより書き換えられることを防ぐ回路内書き込み防止機能などを備えている。スタンバイモードでの電圧モニタリング機能やフラッシュメモリ上のエラーを自動修正する機能によって、誤作動やシステム障害につながりかねないデータ損壊を予防的に回避できるようになり、機器の信頼性の向上にも貢献するという。

 動作電源電圧範囲は1.8〜3.6V。12ビット分解能サンプリング速度1.8Mサンプル/秒のA-Dコンバーター8チャンネルなども内蔵する。パッケージは、ADuCM3027、同29いずれも64ピンLFCSPと54ボールWLCSPの2種類がある。サンプル価格は、ADuCM3027が3米ドル、ADuCM3029が3.5米ドルとなっている。なお、ADuCM3029の評価キット「ADuCM3029 EZ-KIT」(価格199米ドル)も用意されている。

「ADuCM3029」搭載評価キット「ADuCM3029 EZ-KIT」 (クリックで拡大) 出典:Analog Devices

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