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LEDより高性能? 高輝度/小型の3原色レーザー光源産学連携組織がガイドラインも策定(2/2 ページ)

» 2016年03月15日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]
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「将来的には、究極の効率を」

 可視光半導体レーザーは、光半導体から出た光同士を共振させ、位相のそろった光が出射するようにしたものである。材料の組成で波長(色)が変わり、一方向に広がらずに伝搬する特性がある。LEDなどと比較して、指向性が良く必要な部分にだけ投射が可能なため、光利用効率が高くなり省エネ性能が約2倍向上する。また、デバイス自体が小型で高輝度であるため、搭載機器は小型で十分な明るさが得られるとする。

レーザーは指向性が良く、プロジェクタでピント合わせが必要ない (クリックで拡大)

 デバイスの利用効率(内部量子効率×取り出し効率)でみると、LEDや有機ELは、内部量子効率は80〜90%と高いが、外部への取り出し効率が現状45%(将来的にも55〜65%)となっている。可視光半導体レーザーは取り出し効率100%で、内部量子効率が現状41%。「現状はLEDのデバイス効率が良いが、将来的には内部量子効率を100%まで上げることで、究極の効率を目指したい」(島津製作所)としている。

 近年は、半導体デバイスの性能向上により、光の3原色である赤、緑、青の可視光半導体レーザーは実用的なものが展開されている。それぞれの光を混合し、1つのファイバーから取り出せるようにモジュール化したのが、今回発表した3原色レーザー光源モジュールだ。実装技術には、島津製作所が開発した複数の半導体レーザーを1本の細径ファイバーに集約する「BLUE IMPACT」テクノロジーを活用したという。

小型のRGBモジュール (クリックで拡大)

 なお、同研究開発は、NEDOのプロジェクト「グリーンデバイス社会実装推進事業/最先端可光半導体レーザーデバイス応用に係る基盤整備」(事業期間:2014年8月〜2016年6月、予算総額:4億2000万円)で、実施されている。

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