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GoogleやAppleは車載市場の“トリガー役”にルネサス欧州法人の車載部門責任者が語る(1/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは、ドイツ ニュルンベルクで開催された「embedded world 2016」で、IoT機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」に加え、車載向けや産業機器向けの製品も展示した。ルネサスの欧州法人Renesas Electronics Europeで車載部門、産業機器部門を統括するそれぞれのバイスプレジデントに、各市場の動向などを聞いた。

» 2016年03月18日 11時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)が「embedded world 2016」(2016年2月23〜25日)で最も力を入れたのは、IoT(モノのインターネット)機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム(以下、Synergy)」だった。ただもちろん、開催場所が欧州ということもあり、車載向けや産業機器向けの製品も紹介した。

 車載製品では、2015年12月に発表された車載情報システム向けSoC(System on Chip)「R-Carシリーズ」の第3世代品である「R-Car H3」のデモを行った。R-Car H3は16nm FinFETプロセスを採用し、ARMの「Cortex-A57」「Cortex-A53」を4コアずつ搭載したもので、前世代の「R-Car H2」に比べて1.6倍となる4万DMIPS(Dhrystone MIPS)以上のピーク処理性能を実現した*)。量産は、2018年3月を予定している。

*)関連記事:ルネサス 自動運転車の頭脳となる次世代SoC発表

「R-Car H3」の評価ボード「R-Car H3」のデモ 「embedded world 2016」で展示した「R-Car H3」の評価ボード(左)と、デモの様子。自動車の統合コックピットに使われる3Dグラフィックスでの情報表示や、画像認識などを1チップで処理している(クリックで拡大)

 ルネサスがR-Carファミリーにおいて強調してきたコンセプトの1つがスケーラビリティ、つまり拡張性である。ハイエンド向けの「R-Car H2」やR-Car H3、ミッドレンジ向けの「R-Car M2」、ローエンド向けの「R-Car E2」、ADAS(先進運転支援システム)向けの「R-Car V2H」があるが、これらはIP(Intellectual Property)互換性を持っている。ルネサスの欧州法人であるRenesas Electronics Europe(以下、REE)でAutomotive Business Group Vice Presidentを務めるGünther Elsner氏は、「R-Carファミリーは、車載インフォテインメントにもADASにも使うことができ、ローエンドからハイエンドまでさまざまな車種に展開できるスケーラビリティを備えている。こうしたスケーラビリティに対するニーズは高い」と話す*)

*)関連記事:ルネサスの第2世代「R-Car」が出そろう、「完全にスケーラブル」

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