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産総研、2030年に向けた研究戦略を策定Society 5.0を世界に先駆けて実現へ(1/2 ページ)

産業技術総合研究所(産総研)は、2030年に向けた産総研の研究戦略を策定した。2030年の産業像や社会像を見据え、「超スマート社会(Society 5.0)」の実現など、大きく4つの研究目標を定め開発に取り組む。

» 2016年06月30日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

次世代の産業を創る

 産業技術総合研究所(産総研)は2016年6月、2030年に向けた産総研の研究戦略を策定、その概要を発表した。2030年の産業像や社会像を見据え、「超スマート社会(Society 5.0)」の実現など、大きく4つの研究目標を定め開発に取り組む方針を示した。

 産総研は、2001年に設立された。それ以来、「技術を社会に」をスローガンに掲げ、日本の産業技術発展や技術革新の推進役を果たしてきた。現在は、2016年度から始まった5カ年計画「第5期科学技術基本計画」に取り組んでいる。未来の産業創出と社会変革に向けて、新たな価値創出につながる研究開発に軸足を置く。

 今回発表した「2030年に向けた研究戦略」では、「次世代の産業を創る」ために、日本における人口減少や高齢化、地球規模の温暖化などに対応した、環境調和型の産業創出に挑戦していく方針である。これを達成していくために、4つの研究目標を掲げた。

2030年に向けて産総研が取り組む研究戦略のイメージ (クリックで拡大) 出典:産総研

サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合

 その目標の1つが「世界に先駆けて超スマート社会(Society 5.0)を実現する」ことである。Society 5.0とは、サービスやものづくり、社会インフラ、エネルギーネットワーク、地球環境など様々な分野でサイバー空間とフィジカル空間が高度に融合された社会のことである。これが実現されると、人が単純な業務から解放され、全ての人が豊かな生活を送ることができるようになるという。

 産総研は、「超スマートな産業・社会」を実現していくために、開発すべき要素技術として6つのテーマを挙げた。「CPS(Cyber Physical System)における知覚・制御を可能とする人間拡張技術」や「革新的なAI(人工知能)用ハードウェア技術とAI応用システム」「AI応用の自律進化型セキュリティ技術」「情報入出力用デバイスおよび高効率のネットワーク技術」「マス・カスタマイゼーションに対応できる次世代製造システム技術」そして、「デジタルものづくりに向けた革新的計測技術」である。

超スマートな産業・社会を実現するために必要となる要素技術のイメージ (クリックで拡大) 出典:産総研
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