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» 2016年07月08日 15時30分 公開

NFCタグに組み込むだけ:スマホで有毒ガスを検知できるセンサー材料 (2/2)

[庄司智昭,EE Times Japan]
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1グラムで、400万個のセンサーを作成可能

 さらに、同センサー材料を市販のNFCタグの電子回路中に組みこむことで、スマホで読み取り可能な有毒ガスセンサーを実現。NFC通信可能なスマホをかざし、スマホでNFCタグを読み取れるかどうかで、有毒ガスの有無を容易に判定できるという。

スマートフォンとNFCタグを用いた有毒ガスセンサー 出典:NIMS

 上記図Aに示す回路設計では、安全な環境下ではスマホでNFCタグの情報を読み取ることはできない。NFCタグが有毒ガスにさらされて、センサー部位の導電性が約100%上昇すると、NFCタグの共振特性に変化が起こり、NFCタグを読み取ることができるようになる。つまり、スマホでNFCタグが読み取ることができると、危険であることを指す。化学兵器の一種である塩化チオニルに対しては、10ppmの低濃度ガスを5秒間同センサーに当てるだけで、NFCタグが読み取れる状態に変化することを実証したという。

 上記図Bに示す回路では、安全な状態ではスマホでNFCタグの情報を読み取ることができる。NFCタグが有毒ガスにさらされると、スマホでNFCタグを読み取ることができない。2つの応答の異なるNFCタグセンサーを組み合わせることで、スマホの故障やセンサーの断線による誤判定を防止でき、高信頼性の有毒ガスセンサーを構築できるとした。

 センサーは使い捨てとなっているが、NIMSは「今回開発した材料が1グラムあれば、400万個のセンサーが作成できるため、安価に大量供給できる」と語る。

今後は、幅広い有毒ガスを検知可能に

 今後、超分子ポリマーの分子構造を改変し、さらな高感度と高速化や、さまざまな有害化学物質を簡単に検知できる化学センサーを開発する予定。また、応用先に適した無線通信技術(通信距離、消費電力など)を選択し、クラウド技術と融合しながら、安心で安全な社会の実現に貢献できるシステムを開発していくとしている。

 なお、同研究は、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)と共同で行われている。

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