メディア
連載
» 2016年07月13日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(7):スマホ市場の“敗者”に残された道 (3/3)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
前のページへ 1|2|3       

2つのチップの相違点

 チップを分解した結果を図3に掲載する。

図3:「MT2502」「MT6261A」の分解(クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 2つのチップはサイズも内部の配置も一致したものだが、違いが2つだけある。1つ目は、片方はパッケージ内部で2つのチップが接続されるSIP(Silicon In Package)構造を取っていること。2つ目は、2つのチップ(パッケージ開封後に確認できるチップ)に刻印されている日付が違っていることである。日付はわずかに1カ月違いだ。恐らくベースとなっているチップが「MT6261A」で、一部を改造して派生させたものが「MT2502」なのであろう。基本機能はどちらも共通だからだ。

生き残れるのは迷いがないメーカーか

 スマートフォン市場から弾き出された前記の老舗メーカー群が、IoTやウェアラブルの新市場でシェアやポジションを十分に確保できるであろうか。

 スマートフォンでの成功に甘んじることなく、MediaTekは次々と手を打ってくる。このチップには最先端な仕様はない。しかも3世代ほど古い安価なプロセステクノロジーで製造されている。GSM通信、クラシックなARM7……。しかし、中国やアジアではLink It OneやMT6261Aを活用した製品はまるで雨後のたけのこのごとく生まれている。息せいて最新パーツを最新プロセスで作らなくても、製品は登場する。ウェアラブル機器やIoT機器、ビーコンなどのエッジ端末市場では、「迷い」がないメーカーしか生き残れないのかもしれない。

執筆:株式会社テカナリエ

 “Technology” “analyze” “everything“を組み合わせた造語を会社名とする。あらゆるものを分解してシステム構造やトレンドなどを解説するテカナリエレポートを毎週2レポート発行する。会社メンバーは長年に渡る半導体の開発・設計を経験に持ち、マーケット活動なども豊富。チップの解説から設計コンサルタントまでを行う。

 百聞は一見にしかずをモットーに年間300製品を分解、データに基づいた市場理解を推し進めている。


⇒「製品分解で探るアジアの新トレンド」連載バックナンバー

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.