次に、古川氏はAI技術の開発について述べた。AI技術はまだ、「人間の知能の一部を表現する程度であり、各種技術課題を解決し、人間と機械が協働する社会の実現に備える」とする。具体的には、国内外に分散する研究者を産業技術総合研究所の人工知能研究センターに集めて議論を行い、世界水準の研究拠点形成を目指していく。
また、社会実装の視点では、2016年4月に「次世代人工知能技術 社会実装ビジョン」を発表した。同ビジョンは、AI技術の発展が日本社会の各出口分野にもたらす効果を、技術の進展予測とともに、時間軸上に可視化。府省連携で進める「人工知能技術戦略会議」で議論中の「産業化ロードマップ」策定にも貢献する予定という。
「今回のAIブームは、過去2回のブームと違うと考えている。インターネットが当たり前になったからだ。今までもAIは存在していたが、グローバルにつながることはできなかった。今は、インターネットを使って外側でも処理することができる。さまざまな方向性が考えられ、国内外の研究者と議論を進めている最中だ」(古川氏)
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