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» 2016年09月15日 11時30分 公開

SiCはシリコンデバイス採用のトリガー:“後発・ローム”がパワーデバイスで成長できる理由 (4/4)

[竹本達哉,EE Times Japan]
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2017年後半にもノーマリオフGaN実用化

EETJ 次世代パワーデバイス材料としては、SiCとともにGaN(窒化ガリウム)も注目されています。

東氏 当社もGaNパワーデバイスの開発を進めている。一般に、より高耐圧のGaNパワーデバイスの開発が盛んだが、ロームは耐圧100V付近で、効率と高速性を重視したGaNパワーデバイスの開発を進めている。実用化は、2017年後半以降と少し時間はかかるが、完全なノーマリオフ型のGaNパワーデバイスを投入する予定だ。

ルネサスから取得の8インチラインでIGBT製造へ

EETJ 2016年2月には、パワーデバイスの増産を目的の1つにして、ルネサス エレクトロニクス滋賀工場(滋賀県大津市)の8インチウエハー対応製造ラインを取得されました。

東氏 ローム滋賀では、MEMSセンサーとともに、IGBT、パワーMOSFETの生産を行う。IGBTの8インチウエハーでの生産は、ロームとしては初めてになる。2016年9月中までは、ルネサスからの移行作業などがあり、本格的な整備はそれ以降となる。ただ、既に実績のある製造ラインでもあり、早期に量産体制を整備する。8インチウエハーでのIGBTの生産体制は2017年1〜2月には整え、顧客からライン認定を得られるようにする。

小信号ディスクリート「もう一度、世界一に」

EETJ 最後に、小信号ディスクリートビジネスに関しての戦略をお聞かせください。小信号ディスクリートでは、大手のNXP Semiconductorsが事業を中国の投資家コンソーシアムに売却することで合意するなど動きが出ています。

マレーシアで建設を進めているディスクリート後工程専用棟の完成イメージ 出典:ローム

東氏 小信号トランジスタ/ダイオードは、かつて、2000年頃までは世界シェア30%程度を誇り、世界首位だった。しかし、その後、行き過ぎた価格競争が起こり、ロームはそうした過度な価格競争に追従しなかったため、結果として、2015年実績でトランジスタ、ダイオードともに世界シェア15〜16%まで落とした。

 ただ、昨今、差異化が難しく採算を確保しにくいディスクリート事業から撤退する動きも出てきている。その中で、ロームとしては、もう1度、世界ナンバーワンになるべく、再度、小信号ディスクリートを強化する方針に切り替えた。2020年に世界シェア30%獲得を目標に、現在、生産能力の増強を行っている。2014年度の生産能力を100として、2017年度には150を上回るレベルへと引き上げる。同時に、生産効率を高めるため、最新鋭の製造ラインへの切り替えも進めている。2016年秋には、最新鋭設備を備えたディスクリート後工程専用棟をマレーシアに新設する。それによりダイオードの生産能力は2倍になる見込みだ。

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