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「Galaxy Note 7」、FAAが機内での使用禁止を勧告バッテリーの発火事故を受けて(1/2 ページ)

Samsung Electronics(サムスン電子)のスマートフォン「Galaxy Note 7」のバッテリー発火事故を受け、米連邦航空局(FAA)は、同スマートフォンを飛行機内で使用したり充電したり、預け入れ荷物の中に入れたりすることを禁止する勧告を出した。

» 2016年09月16日 16時30分 公開

「Galaxy Note 7」は出荷停止

「Galaxy Note 7」(クリックで拡大)

 米連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)は2016年9月8日(現地時間)、Samsung Electronics(サムスン電子)の最新スマートフォン「Galaxy Note 7」に発火の危険があるとの勧告を発表した。航空機の乗客に対して、機内ではGalaxy Note 7の電源を切る、充電しない、預け入れ荷物の中に入れない、などの注意を喚起している。

 FAAの今回の勧告は、Galaxy Note 7が、Jeep Cherokee(ジープ・チェロキー)の自動車コンソールでの充電中に爆発し、車体を全焼させたという事故の報道を受けたものだ。Samsungは既に、約250万台のリコールを発表している。SprintやAT&T Mobilityなどの大手携帯電話サービスプロバイダーも、この問題について認識しており、Galaxy Note 7の販売を中止するとともに、既に販売済みの製品に対しては返金に応じているという。対象となるスマートフォンが販売された地域は、10カ国に及ぶ。

 世界最大手のスマートフォンメーカーであるSamsungにとって、今回のスマートフォン発火事故は、Appleが新製品「iPhone 7」を発表する直前という最悪のタイミングで起きてしまった。このバッテリー発火事故を受け、スマートフォン、タブレット、ノートPCなどの端末や電気自動車を手掛けるあらゆるメーカーが、自社製品のパワートレインの健全性を検査することになるだろう。

 リチウムイオン電池は確かに、商用利用が可能なバッテリーとして最も高いエネルギー密度を実現しているといっていいだろう。リチウムポリマー電池のエネルギー密度も少しずつ向上しているが、軽量化や低価格化などを含め、リチウムイオン電池を置き換えるには至っていない。

 リチウムイオン電池の主な構成要素は、アノードとカソード、電解液であるが、その動作は電池の充電時と放電時とで異なる。充電中は、イオンで満たされた電解質液の中で、リチウムイオンがカソード(一般的にコバルトとマンガン、ニッケル、酸素を含む)からアノード(グラファイトを使用)に放出される。電池が消耗すると、リチウムイオンがアノードからカソードへと戻る。しかし、このような電池の場合、電解液に中和作用があるにもかかわらず、リチウムが、酸素や空気中の水蒸気に対して過度に反応するという問題点がある。

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