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笑う人工知能 〜あなたは記事に踊らされている〜Over the AI ――AIの向こう側に(3)(6/8 ページ)

» 2016年09月28日 11時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

"IF 江端 THEN 男前"、"IF 江端 THEN 博識"

 では、ここからは後半になります。

 この連載の後半は、「私の身の回りの出来事」を使った、「数式ゼロ」のAI解説になります。

 今回は、前半に登場してくる自然言語解析の延長上として位置付けられる、「エキスパートシステム」について説明したいと思います。

 そしていつも通り、「エキスパートシステム」が“人工知能”なのかどうか」については、今回も『江端AIドクトリン』に基づいて私が判定しました。

 エキスパートシステムというのは、一言で言えば「今、持っている知識の活用」です。逆に言えば「新しい発想(創作)なんかしない」ということです*)

*)というか、「創作する"人工知能技術"なんて、現時点では一つも存在しない」というのが私の持論ですが。

 で、その「今、持っている知識」を、どのように(どんな形式で)コンピュータに教え込むかというのが、実は大問題なのです ―― コンピュータって本当に救い難いくらいバカだから ―― です。

 エキスパートシステムで使われている方法には、大きく以下の3つがあります。

(1)"IF 江端 THEN 男前"、"IF 江端 THEN 博識"という感じで、世界の事実(真実)を片っぱしからメモしていくもの
プロダクションシステム:知識を、物事の因果関係で記述するもの

(2)"江端 → 男前", "男前 → 博識", "博識 → "人工知能技術"に精通"という感じで、階層関係を次々とリンク(線)で描いていくもの
意味ネットワーク:世界をノードと線で表現するもの

(3)上記の"江端 is 男前"から始まるひとまとまりを、江端の属性としてフレームという形でまとめてしまうもの
フレームモデル:まあ、オブジェクト指向のクラスのようなものです*)

*)説明が面倒で、どんどん投げやりになってきている

 しかし、3つも説明するのは面倒ですし(正直(2)と(3)はよく知らない)ので、今回は、プロダクションシステムに特化して説明します。というか『エキスパートシステムって、"IF 〜 THEN 〜"の束のことだろー』といわれているくらいですから。

 以下にざっくり概要をまとめています。

プロダクション方式

 なお、江端が「モテる」だの「モテない」だのという話は例示です。そこに突っ込むのは禁止です。

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