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OKIのIoT導入パッケージ、920MHz帯無線を利用簡単・安価・短期間で試行導入、拡張も容易

OKIは、920MHz帯マルチホップ無線を用いたIoT導入パッケージ「IoTファストキット」を発表した。簡単で安価に、短い期間でのIoT試行導入を可能とする。

» 2016年09月30日 15時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

デジタル認証でセキュリティを確保

 OKIは2016年9月、920MHz帯マルチホップ無線を用いたIoT導入パッケージ「IoTファストキット」を発表した。安価で簡単につながり、安全性の高いネットワークを構築することが可能となる。

 IoTファストキットは、同社が開発したIoTプラットフォーム「マネージドクラウドExaaS」を基盤とした導入パッケージである。ExaaSは、従来のクラウドサービスに加え、導入支援コンサルタントから開発、運用サービスまでトータルでカバーしている。これに加えて、センサーデータを収集してクラウドへ転送する「ゲートウェイ(IoT-GW)」や「920MHz帯マルチホップ無線ユニット」「照度センサー」「CO2センサー」「温湿度センサー」「振動センサー」などで構成される。

IoTファストキットの構成イメージ (クリックで拡大) 出典:OKI

 920MHz帯マルチホップ無線ユニットは、2.4GHz帯無線システムに比べて干渉の心配がない。このため、ビルなど障害物の影響を受けずに長距離通信が可能となる。室内のレイアウト変更などにも柔軟に対応することができ、広域のネットワーク環境を比較的安価に構築することが可能である。各種センサー製品とIoT-GWとの接続も容易で、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などに用いられているシリアル通信プロトコル「Modbus RTU」準拠のセンサー製品であれば、全てIoT-GWに接続することができるという。

 IoT-GWには、製品出荷時に接続機器が正規な製品であることを示す証明書が埋め込まれている。このデジタル証明機能を内蔵することで、高いセキュリティを確保することができる。また、センサー情報は、複数の事務所や工場などの拠点ごとに、アクセス可能なデータとして分離することが可能である。このため、特定の拠点内だけで収集したセンサー情報を管理し、「見える化」することもできる。また、API(Application Programming Interface)を有償で提供しており、ユーザーは独自のIoTアプリケーションを短期間で開発することができる。

 同社は、工作機械など工場設備の予防保全システムや、鉄道設備などにおける故障予兆システムといった用途の試行導入に向けて、IoTファストキットを提案していく。試行後に本格導入する場合にも、システム規模に応じた拡張やカスタマイズを、比較的容易に行うことができる。価格(税別)は、IoT-GW、920MHz帯マルチホップ無線ユニット、照度センサー一式およびIoT基盤利用料3カ月分を含めて、23万円よりとなっている。2016年10月3日より発売する。

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