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力触覚通信を35mm角のボードで実現次世代のロボットアームを目指す(2/2 ページ)

» 2016年10月13日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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小型のボードを開発

 2015年のCEATEC以降、2つの大きな進展があった。1つは力触覚技術を実現するための小型ボードを開発したことだ。サイズは35mm角で、コアとエンジンを搭載。力触覚の再現に必要な計算処理を行う。これをロボットアームなどに組み込むことで力触覚技術を実現できる。このボードは、GP-Armにも搭載されている。野崎氏によると、力触覚通信技術を使ってみたいなどの反響が多かったため、同技術を使った試作機などを作りやすいよう、ボードを開発したという。

35mm角の小型ボード(ちなみにボードを持っている手は、人工の手です)

 2つ目は、力触覚技術について十数社の企業と共同開発を始めるための体制作りを整えたことである。野崎氏によると、十数社は産業機器、ロボット、自動車、農業、建設、医療/福祉など、さまざまな分野の企業だという。ハプティクス研究センターはこれらの企業と個々に製品の開発を目指す。このうち3社とは、概念実証(POC:Proof of Concept)レベルの開発が完了していて、製品化の段階に入っている。この他、ベンチャー企業の立ち上げも今後1〜2年以内に予定している。

動作の「保存」「編集」が可能

 この技術の面白いところは、力触覚情報だけに基づいて動作を再現するので、“動作を保存して編集し、再生することができる”という点である。力触覚情報は、上述した通り、位置情報と力情報で構成されている。人間の動作について、これらの数値データを保存しておけば、データを編集してロボットアームのコントローラーに書き込むだけで、思い通りの動きを再現できるようになる。倍速で動作を再生したり、逆再生したりすることも可能だ。

 例えば「ネジを締める」という動作を10倍速で再生すれば、人間の10倍のスピードでネジを締めることができる。この動作を逆再生すれば、「ネジを緩める」ことも可能だ。

クリックで動画に飛びます(動画提供:慶応義塾大学ハプティクス研究センター)

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