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スマート家電やIR46、中国市場の“今”が分かるデモルネサス DevCon China 2016(3/3 ページ)

» 2016年11月02日 11時55分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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FG-ICを初展示

 ルネサスが今回のDevConで初めて展示したのが、リチウムイオン電池管理IC(以下、FG-IC:Fuel Gauge IC)の最新品種だ。ルネサスは、ノートPCやタブレット端末向けの1〜3セルに対応したFG-IC「RAJ240500」を2015年7月に発表している。電池残量計測機能と充電機能を1パッケージ化したことが特長だ。リチウムイオン電池管理機能を実現する場合、マイコンとアナログICの2チップ構成になるのが一般的となっている。

 ルネサスの執行役員常務兼第二ソリューション事業本部 本部長を務める横田善和氏は、DevCon Chinaの基調講演で、FG-ICのターゲットを、ノートPCやタブレット端末から、より大電流が必要となる産業分野に拡大すると語っている。

 今回展示したFG-IC「RAJ240100」は、その言葉通り、工場で使用する機器や家電、バイク、ドローンなど大電流が流れる用途をターゲットとしている。ルネサスは、「ノートPCの電流は5Aくらい。産業機器になると20〜30Aの大電流が流れる。こうした産業機器をターゲットとした新FG-ICでは、新たに開発した高耐圧のプロセスを採用した。最大10セル直列のリチウムイオン電池に対応可能だ」と説明した。

 さらに、25μAと低いスリープ電流(マイコンは動作している)を実現した。他社品には、スリープ電流が100μAの製品もあるという。

 同FG-ICのサンプル出荷は既に開始していて、量産は2017年1月から開始する予定である。

左=FG-ICとリチウムイオン電池を搭載したデモ用ボード。赤枠の基板の裏にFG-ICが搭載されている/開発キットは、ボートやファームウェアで構成されている(クリックで拡大)

中国でも提供を開始した「Synergy」

 DevCon Chinaの最大のテーマだったSynergyについても、デモが並んだ。いずれのメーカーも、開発期間を尋ねると「2〜3週間」との答えで、開発期間の短縮に手応えを感じた様子だった。

Avnetが展示したホームゲートウェイ(左)とLoRa対応モジュール(クリックで拡大)
シンガポールNextanが開発したスマート血圧計(左)と、中国Yellow Cheese Technologyが開発したスマートホームゲートウェイ。温湿度や大気汚染を測定するデモを見せていた(クリックで拡大)
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