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» 2017年03月30日 11時30分 公開

Over the AI ―― AIの向こう側に(9):へつらう人工知能 〜巧みな質問を繰り返して心の中をのぞき見る (2/10)

[江端智一,EE Times Japan]

あきれかえる「AIによる人類の滅亡」説

 こんにちは、江端智一です。

 今回は、前半では、前回に引き続きCSAJでの研究講演会の内容(一部加筆)をお話し、後半では、機械学習の1つである「バージョン空間法」について解説します。

 私は、今回のAIブームだけでなく、前回(第2次)のAIブームにも立ち会った当事者(兼、被害者&加害者)であり、第1次ブームの話についても、いろいろと調べました。そして、これらのブームの全てに必ず登場するのが以下のフレーズです。

「人工知能が人類を滅亡させる」

 これまで、私は、ネットの記事や書籍で、このフレーズが出てきた段階で、「読む価値なし」として読むのを止めていたのですが、今回は、この連載のために、我慢して読んでみました。が ―― もう、なんていったらいいのか、バカバカしくてお話にもなりません。

 その理由を説明するのも面倒なので、研究講演会の資料を以下に張りつけておきます。

 この連載の第1回「中堅研究員はAIの向こう側に“知能”の夢を見るか」で、私たちの中に存在する「AIへの期待」についてお話しましたが、これも、これから何度も使い回すことになりそうなので、このような資料も作りました。

 このような、「人工知能(AI)による人類滅亡アプローチ」を記載している本を何冊か読んだのですが、それらの著書(というか「著者」)に共通していえることは、AI技術に対する、絶望的なまでの「無勉強」です(「不勉強」ですらない)

 まず、「AI」なる技術があると思っている時点でもうダメです。「AI」というのはコンセプトであって、技術ではありません。

 このシリーズでは、このことを一貫して言い続けているのですが(今回も後述しますが)、この理解なく「AIによる人類滅亡」を憂いている人は、「天が落ちてきたり、大地が崩れたりしないかと、あり得ないことを心配して、夜も眠れず食事も食べられなかったという、『杞』の国の人のようなものだ(『杞憂』の語源となった故事)」と ―― 私は「残念な人」と思っています。

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