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» 2017年04月27日 11時30分 公開

Over the AI ―― AIの向こう側に(10):外交する人工知能 〜 理想的な国境を、超空間の中に作る (2/9)

[江端智一,EE Times Japan]

PCは、私たちの仕事を奪ったのか

 さて、この検討に際して、PCの登場時期をある程度決めることにしました。

 今回は、わが国に史上空前のPCブームもたらした、NEC(現:NECパーソナルコンピュータ社)の「PC-9800」シリーズの初代「PC-9801」が発売された年(1982年)を考慮して、切りよく1980年を基準としました。


 ――あの「PC-9801ブーム」は本当に凄かった……。


 当時、学生だった私は、駅前のPCショップでアルバイトしていたのですが、1台30万円もするPCが、ほぼ毎日「売れていた」のです。さらにすごいことに、そのPCの9割は、使用されずに押し入れの中で眠っていたということです(その理由はこちら)。

 そして、そのPCブームに再度火を付けたのが「Windows95」という、「インターネット接続」を最大の売りにした、マイクロソフトのOSでした(なにしろ、PCを持っていない人までが、訳も分からず、Windows95のパッケージ(箱)を購入していたそうです)。

 その後、PCは、「インターネット」「Webブラウザ」「携帯電話(いわゆるガラケー)」の他、さまざまな技術や機器を生み出し、現在「スマートフォン(スマホ)」に至っています。今回は、PCから生み出されたものを全部ひっくるめて「PC等」として取り扱うことにします。

 まずは、このPC等の所業を、「キラー(殺し屋)アプリケーション」という項目でまとめてみました。

 具体的な仕事の内容で調べてみると、ここ15年ほどで、会計事務従事者は100万人、印刷・製本従事者も16万人ほど減少しているそうです(参考)。

 この検討を続けていたら、(私の立場としては)言いにくいことが登場してきました*)ので、以下に小さい文字で記載しておきます。

*)インターネットで被害を受けた会社(NTT、日立製作所)や人々(小売業)、壊滅させられた日本のPC(NEC、東芝)、勝者なきネットサービスプロバイダー、まだテレビほどには影響のないネット広告、出現しなかったインターネットユートピア(世界を1つにするどころか、偏見と憎悪と殺りくを加速させるディストピア)、インターネットがなければ発生しなかった犯罪、廃棄させられたPC、確立しないネットリテラシー、無責任な発言を無制限に垂れ流し創作者の心を破壊するSNS、いたずらに若者の時間を消費しつづけるスマホ、交友関係の断絶から殺人事件にまで発展する電子メール、会話や笑い声がなくなったオフィス、管理部門の無能化、ワードやエクセルが使えないだけで再就職ができないデジタルデバイド中高年者問題、などなど。

 また、職業別人口の数字を使った、分析も試みてみました。

 まず、1980年と、2010年における職業別人口をざっくりと調べて、その変化率を見てみました。

 驚くべきは、「サービス業」以外の職種の全てが減少していることでしょう。サービス業を定義するのであれば、「動産(または有体物)ではなく、無体財産を提供する」業種ということになるので、不動産業もサービス業の1つと言えます*)

*)サービス業を具体例で挙げると、宿泊業、法律事務所、税理士事務所、芸術家業、興信所、獣医師業、機械設計業、測量業、理容・美容業、洗濯業、一般浴場業、旅行業、冠婚葬祭、映画館、競輪場、スポーツ施設提供業、公園・遊園地、郵便局、協同組合、政治・文化団体、廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、警備業、パチンコ、カラオケ、キャバクラ、メイド喫茶などが該当します。

 まさに、「ハードウェアからソフトウェアへ」、あるいは「モノからコトへ」のダイナミックな移行が見て取れます。

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